13.《ネタバレ》 楽しめた。影武者を演ずる仲代達也の演技に迫力がある。 山県 昌景演ずる大滝秀治とのやりとりは面白い。 信玄亡き後、武田軍が敵の攻撃に怯え逃げ出すのに対し、盗人出身の影武者が一人敵に向かって行く姿が印象深かった。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-02-11 18:27:22) |
12.《ネタバレ》 黒澤映画には、「虎の尾を踏む男達」や「蜘蛛巣城」等の舞台劇を強く意識した様式美を追求する作風と、「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」等の娯楽に徹する作風の二つがあると思う。本作はちょうど中間か、やや様式美を重視しているように思える。そのためか、タイトルが「影武者」と個人を表しているのに、なかなか影武者本人への感情移入をさせてくれない。よって、最後の影武者一人の突進のシーンは、言いたいことはよくわかるのだけど、なんとなく釈然としないものを感じてしまう。 まったく余談ですが、数年前に息子と一緒になにげなく「侍戦隊シンケンジャー」を見ていました。終盤のエピソードの、影武者としての苦悩や、周りの家臣の反応については、シンケンジャーの方がよくできているなあなどと思ってしまった。 【Northwood】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-09-02 14:27:36) |
11.《ネタバレ》 黒澤映画の中で、本作が史実の出来事をネタにした唯一の時代劇なんですね。橋本忍は脚本に参加していないので、黒澤のロマンチスト気質が濃厚な物語に仕上がっています。言い古されていますけど、勝新太郎の代わりに急遽登板した仲代達矢のあまりにオーヴァーな演技がこの映画の最大の失敗でしょう。影武者が盗人らしい下品な本性を表わすところなんか、勝新ならきっとこんな風に演るだろうなと仲代達矢も意識して苦労したんじゃないかな。皮肉にも、仲代達矢は勝新の影武者だったようなものでしょう。あとちょっと理解しがたいのは黒澤の俳優起用ポリシーで、家康役が俳優は初体験の人とは恐れ入ります。そう言えば、幻の黒澤版『トラ・トラ・トラ!』でも山本五十六に素人の一般人を使う予定だったそうですし、なんか変わってますよね。 長篠の騎馬突撃をああいう風に見せてくれたのは私には不満で、その直前までの騎馬の映像が「さすが黒澤!」と唸らせるほどだったので、余計に残念でした。 それにしても、黒澤映画は馬の映像が素晴らしい。 【S&S】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-09-01 22:11:52) |
10.《ネタバレ》 長篠の合戦シーンで、討ち死にしていく様を一切映さずに省略するのは良いのですが、他ではあまりお目にかからない、非常に印象的な馬がのた打ち回っている悲惨な光景が、くどいくらいで冗長に感じられます。もちろん無敵の騎馬隊が敗れ、武田家の滅亡を意味し、影武者が単騎突入をかける重要なシーンであるとは思うのですが、あのシーンを長々と見せるのはどうかと思ってしまいます。 それから、細かいところで目に付くところもあります。例えば戦場で砂埃が舞い旗がこれでもかとパタパタとひらめく風の演出はとても良いのですが、そのバックの木々がぜんぜん動いていなかったり、はたまた冒頭のシーンでの燭台の影は本来なら消すべきなんじゃないかとか…なんか揚げ足取りのようですが、このスケール壮大な黒澤映画だからこそ細部が余計に気になってしまいます。 それと、やっぱりどうして役者さんだと思います。仲代さんも凄いのですがこの役には不向きに見えますし、予定では勝新だったらしいですが、それが実現していてもこの3時間にも及ぶ超大作の風向きまでは変えられなかったような気がします。それが可能だったのは三船敏郎だけだったろうと。黒澤監督作品を立て続けに見ることができる今、ミフネ不在の黒澤映画を見る度に黒澤には三船が必須だったのだとすら思えるのです(また三船も最高なのは黒澤映画においてである)。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-03 18:27:08) |
9.面白かった。ところどころに出る影武者の無邪気さがかわいらしくもあった。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-28 20:37:21) |
8.映像はすごかった。ただやっぱりストーリーが興味を引く内容ではなかった。ですがなんとなく最後まであっさり観れた。 【ボビー】さん 7点(2004-07-18 12:02:53) |
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7.仲代達矢も名演であったと思います。ですが、武田信玄といえば、イメージとしては仲代達矢より勝新太郎であるのは間違いありません。黒澤監督の絵コンテも勝新太郎のイメージそのままですし、まして降板という事実を知れば、なおさら勝新太郎でなければダメだという思いがするのは当然です。勝と仲代はどちらも名優であることは間違いないと思いますが、本作においては勝新太郎がより似つかわしいキャスティングであることは明白でしょう。もっとも脇を固めた新人や経歴の浅い役者の委縮したような演技はさらに困りものです。違和感がまともに画面に出てしまって、どうしても作品に入り込めないし、メッセージも弱い。黒澤監督のマルチキャメラにはとても耐えられるものではありません。この起用は完全に裏目に出ていると思います。ただ、夢のシーンとラストの長篠の合戦は秀逸。唯一、この作品のテーマが映像によって浮かびあがるのがここです。合戦シーンについて言えば、思う存分の活劇を見せてほしかった気もしますが、スローでつながれた編集によって強烈な「悲哀」がもたらされ、むしろ力のあるシーケンスに仕上がっています。おそらく活劇で見せることは可能であったと思いますが、この「悲哀」が哀れな影武者のクローズアップと相まって見事に無常観を演出しています。テーマを考えればこの選択は正解だったと思います。何しろ、馬が「名演」ですね。本作はカンヌでグランプリを受賞していますが、これは確かにネームバリューという見方もできます。往年の作品群に比べれば、プロットが圧倒的に弱い。ただし、もし、これを他の無名監督が作ったとしたらどうでしょうか。恐らくはそのスケールの大きさゆえに、やっぱり驚いてしまうのではないでしょうか。 【スロウボート】さん 7点(2004-03-12 22:52:33) (良:2票) |
【its】さん 7点(2004-01-12 21:41:06) |
5.《ネタバレ》 黒沢映画はそれほど数を見ていないのだが、モノクロ時代のようなムンムン、というか、どろどろした香気は薄くなったように思う。オープニングの長回しはよかったし、映像も文句ないのだが、かつてのちょっと突けばどろどろと粘液が出てくるような、そう言う熱さがなかった。特に中盤。後半は、悪くなかった。長篠のシーンも、あれはあれでいい。ただ、全体的に軽いのは残念。コッポラ、ルーカスの功罪か。それに、池辺晋一郎(音楽)はクロサワと言う感じではない。早坂文雄ならどんな音楽を付けただろうか。7.5点。 【アイカワ】さん 7点(2003-12-31 10:01:41) |
4.率直な感想は、内容のことよりも映像がきれいだったこと。内容に関しても「乱」よりはわかりやすいぶんよかった。 【ボーリック】さん 7点(2003-12-14 01:57:17) |
3.勝新太郎のバージョンが観てみたかったです。まあ仲代達矢も悪くはないけど、一般的に流布している信玄のイメージは前者の方でしょう。実際は仲代信玄の方が外見は近いらしいけれど。隆大介の信長と、室田日出男の馬場信春がよかったなあ。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-20 05:06:07) |
2.メイキングか何かの映像で、ロケ地にあの(!)ルーカスとコッポラが陣中見舞いに訪れて、3人で談笑しているのを見たときはからずも落涙してしまった。多くの評論家は「どですかでん」以前と、以降にクロサワ映画を分けて考える。くやしいけどその通りだと思う。 |
【リトル】さん 7点(2003-06-23 23:31:00) |