2.《ネタバレ》 これは何ともユニークな映画ですな。ちょっと『スタンド・バイ・ミー』的な少年たちの友情ノスタルジックに上手いこと乗せられた感はあるけど、“吉野刈り”に反旗を翻す少年たちとそれを阻む大人との戦いがユーモラスで面白かったです。子供たちの前に立ちはだかる抵抗勢力のおばちゃんも悪役としては魅力十分!世界観も古くから町に伝わる言い伝えやそこに住む住民など、「如何にも本当にこんな町がありそう」というリアリティがあって良かったです。ただいくら思春期の子の物語とは言え、やたらと話をエロ本や下ネタに持っていくのはちょっと下品な印象を受けました。程々にやっておけば良い刺激にもなるのですが…。それからお姉ちゃんのエピソードが期待させただけで結局何にも展開しなかったのも残念、本人は自己解決しているみたいなのでそれはそれで構わないのですが、観客としてはちょっと納得が行かない気がしますね。それでもこの素朴な空間、緩やかなリズム。一風変わったユーモアとなかなか心地良かったです。監督がフィンランドで撮った新作『かもめ食堂』も観てみたいです。