1.主人公の会津小鉄を演じる菅原文太、関西弁のイントネーションがおかしいんですけれども(かつて宮城米のCMにも出てたように、宮城出身)、それがかえって、武骨なバイタリティを感じさせちゃったりもするのです。その主人公のエネルギッシュな生き様を軸に、平和だった京の街が無法地帯のようになっていく激動の幕末が描かれます。脇を固める俳優陣が豪華なのも楽しいところですが、中でも、なんとなんと、あの松竹新喜劇の藤山寛美と、あの吉本新喜劇の岡八郎とが、カラミこそ無いとは言え、ひとつの作品に登場するという、まさに豪華さもここに極まれりと言えましょう(なんのこっちゃ)。
それにしても、2時間半と長めの尺ながら、エピソードを密度高く描きこんで、お腹いっぱいになっちゃうのですが、それなりに大団円を迎えるラストで、すべてを覆すような不穏な空気が漂っていきなり作品が終わっちゃう点。これが一番の驚きでした。