《改行表示》32.死ぬまでに名作をみておけ、ということでヒッチコックを見ています。皆さん、ハズレを引きたくなければヒッチコックを選んでおけば基本的には大体どれも面白く、さすがヒッチコックといった抜群の安定感です。 本作「北北西に進路を取れ」(North by Northwest)ですが、まずタイトルがやたらとカッコいい。調べてみるとこの表記の仕方は存在しない方位を示しているそうで、Wikipediaによると、北北西は「North-NorthWest(NNW)」が正しいようです。存在しない方位を示してあるのもまた余計にカッコいいです。またアカデミー脚本賞、編集賞、美術賞にノミネートされているだけあって、脚本が非常によく出来ていて最初から最後までずっと面白いまま突っ走ります。特に後半に向けてサスペンス色が深まる飛行機爆破のペーシングシーンは本当に印象深くて素敵なシーンでした。 ただ、ツッコミ所は色々と多めです。普通の広告マンだった主人公ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント)はいつも冷静沈着で、なぜか毎回うまくピンチを脱します。マザコンでバツ2の広告マンにしてはちょっと度胸がありすぎるし、とにかく落ち着いていて貫禄がありすぎます。また美しいイヴ・ケンドール(エヴァ・マリー・セイント)も、もとは普通の人だったと語られますが、まるで峰不二子ばりの本格スパイを地で行っています。26才でこの落ち着きはちょっと異常なくらいだし、ストーリー上、タウンゼント(フィリップ・ヴァンダム)についていく気満々だったようですが、それほど惚れているようにも見えません。結果的に終始よくわからないキャラを貫いていて、まさに峰不二子を地で行っていて少々不自然でした。 007シリーズに多大な影響を及ぼしたといわれますが、ホントにその通りだと感じました。初期のボンド作品よりずっと007なのが軽く笑っちゃうくらいです。粗はあるものの倒叙システムもよく効いていますし、結果的に面白ければ問題ないと言わしめるくらい脚本がよく出来ています。ちゅっちゅウフフで反転ハッピーエンドラストも本当に素敵でした。まあ文句なしでしょう!(ちなみに本作の監督カメオ出演は油断してると見逃がしますよ、私も見逃しました) 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-24 17:35:44) |
《改行表示》31.《ネタバレ》 初見。以前からこの日に鑑賞を予定していた本作。ジェームズ・メイソンが振り撒く悪のオーラに浸り切りたい! ケーリー・グラントを手玉にとって最後は華を持たせて滅び行くお姿に身悶えるで! 満を持しての鑑賞でした。 エレガントで親玉としての威厳はあるけれど怖さが足りない。そして何と言ってもエバ・マリー・セイントに本気で惚れているところが求めたものと違っていました。ただ、その胸中があからさまでなく滲み出る表現は天下一品、唯一無二。また、マーティン・ランドーを殴りつける件(プラス1点)に親分子分以上の共依存関係を感じとれました。 ラシュモア山でジェームズ・メイソンがケーリー・グラントの手を踏み躙るシーンが観れなかったのにガックリしているところへ放たれた捨て台詞。「そりゃあ、ないわ、何ちゅう演出ですねん、ヒッチさん」 微妙というか物足りなさで歯痒く別の意味で身悶えました。 ジェームズ・メイソン以外では、タイトルバック及び音楽の鋭い切れ味が印象深く、トータルで判断して娯楽作品の一級品と言えます。 |
《改行表示》30.《ネタバレ》 最近のスピーディーな展開の映画に慣れてしまうと、尺が長いとの御意見もあるだろうが、そんなことを感じさせない位に最後までハラハラドキドキさせてくれるし、隅々まで良く出来ている。 改めてヒッチコックの手腕に驚かされるし、相当後のサスペンス映画に影響を与えていると思いますよ・・・やはり凄い。 本当、古典の良さを堪能させて貰える訳で・・・ゾンビで言うなら、走るゾンビではなくロメロのゾンビってとこです。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-19 07:32:15) |
29.《ネタバレ》 007シリーズはいかに本作に負ってるものが多いことか。列車・飛行機からの襲撃・謎の女・女中…。ただこちらはあくまで「退屈な男」が巻き込まれていること。それと悪玉にも心があって、女をめぐる嫉妬があったりする。つまりこちらは最後は愛国心ではなく恋愛なの。退屈な男という設定のユーモアが、冒険に継ぐ冒険を対象化し、映画を外から微笑んで見ているようなゆとりが生まれた。絵葉書になるような名所で何かをやらかしたい、という姿勢はヒッチコックの基本で、かつては自由の女神あり、『めまい』はサンフランシスコの観光案内でもあった。本作では国連ビルからラシュモアまで行く。その一方に無名にトウモロコシ畑を本作最大の見せ場として置いた。うまいのは、まず飛行機が奥を横に飛んでるシーンがあって「これは背景なんだ」と思わせてるとこで、それが無作法にも、こっちに・スクリーンから垂直に向かってくるから観客はショックを受けるわけ。これは『裏窓』での、背景と刷り込まれてたアパートへG・ケリーが、やはりスクリーンに垂直な運動で入っていくショックと同じだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-02-05 10:22:25) (良:1票) |
《改行表示》28.ちょっぴり「シャレード」に似ていて(似ているのはケーリー・グラントだけか)、それよりも断然おもしろい。ヒッチコック映画の最高峰と言ってもよいだろう。 実は最初見た時は、ロジャー・ソーンヒルがなぜ間違えられたのか見落としていた。だから何か訳がわからないうちに話が進んでいったのだが、それでもおもしろかった。 DVDで改めて見てみると、間違えられた訳だけでなく、ほかの部分でも見落としや感違いがあったことに気づき、改めてこの映画が良くできていることに感心した。 随所にユーモアが見られ、サスペンスの緊張感とバランスが取れていると思う。一番笑ったのは、競売シーン、おおまじめなとこらが何とも言えない。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-07-25 14:16:10) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 ヒッチお得意の巻き込まれ型サスペンスですが、途中までは巻き込まれる背景や事件の説明が無いので途中まで観る者も映画の中のケイリー・グラントと一緒に巻き込まれさせてくれます。美女が登場するヒッチ映画の定番、キスシーンのハッピーエンドは容易に推測できる作品でもありますが、崖から引き上げられてキスシーンと思う所をヒッチ一流のユーモアのセンスあふれる予想を超えたラストはお見事。 本作で後味の悪い結末を望む人は少ないと思うし、それを承知の上で二転三転するストーリーとテンポの良さでそのラストに至るまでのプロセスをしっかり楽しませてくれる、ヒッチコックの映画作りの上手さは流石だと思わされる一作。 更に本作は今までに観たヒッチさんのカメオ出演の最高傑作です。バスに乗り遅れるヒッチさんがお茶目でした。この「ヒッチさんを探せ!」は観る者のお楽しみの一つにまでなっていく。それを承知でカメオ出演を続けてくれた彼のサービス精神にも脱帽です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-26 20:23:06) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 ケーリー・グラントの魅力が余すところなく発揮された凄いサスペンスです。何が凄いって、たっぷりの余裕というか、グラントペースのゆるさでしょう。別に正義感や好奇心が強いわけじゃなさそうな彼が、殺される目に遭ったっていうのに、キャプランが滞在しているホテルで調べ物したり、よせばいいのに、国連ビルへ行って殺人犯にされたり(可哀想なタウンゼント氏・・・)、列車では結構エロティックな美女エヴァ・マリー・セイントと初対面でイチャイチャ(・・・いや、確かに隠れる以外することないでしょうが、んな場合じゃないでしょ~!)そして彼女に騙されたと思ったら、なんと敵が揃ったオークション会場まで乗り込んで痴話ゲンカしているし、ここまでメチャクチャやっても違和感なしの、ゆるゆるペースって、さすがケーリー・グラントです。オークション会場では老婦人との会話「あなたは本物のバカよ」「サンキュー」が絶妙でした。 あと、この映画は悪役も魅力的です。ジェームズ・メイソンと若き日のマーティン・ランドーは、同性愛的な感じがして、怖さが増幅されてました。乗り物が多いせいか、話のテンポが小気味いいけど、たった1人を飛行機で銃撃したり、2人が落ちないのが不思議なラシュモア山での逃亡とか、そもそも相手を勘違いする、どこか間抜けな敵とか、なんか沢山あり得なーいと思っていたら、ラストでイヴが「バカみたい」と的を得た発言をしていて、大笑いしてしまいました。やっぱりそうでしたか。そのラストの省略は、最初ちょっと説明不足だと思いましたが、よくよく考えたら、イヴと出会ってからのロジャーは、いつしか目的が3人目の妻ゲットになっちゃってましたし、これでいいんですね。トンネルに入るところがエロティックでした。ところで、あの4人の大統領の石像の中には、最初に出ているにも関わらず、なんとなくヒッチ監督の像もある気がして、思わず探してしまいました。 【くなくな】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-15 01:13:43) (良:1票) |
25.話が面白かったです。映画を観た、って感じなれる映画ですね。古い映画なので目新しいものはありませんが満足感は十分に得られました。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-21 05:35:43) |
《改行表示》24.《ネタバレ》 面白かった~。でもちょっと疲れました。 ごく日常的なところに危険って潜んでいるんだなぁと思いました。 泥酔運転をしたときの描写がとても緊張感があって面白かったです。 泥酔演技も良かったと思います。 主人公と母親の関係が面白かった。 女優さん本当に美人ですね! 街の、都会の(古いんだけど近代的な)雰囲気は好きです。列車も物語を盛り上げます。 僕がこの作品で一番好きな場面はオークションの場面です。笑っちゃった。 モニュメントの場面もなかなか迫力があってよかったです。 この作品はとても「大冒険!」って感じです。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-17 02:39:12) |
23.5回目位?の鑑賞。中学、高校、大学と学生時代にはヒッチコック作品が待ち遠しかった記憶がある。この作品も沢山の楽しみを与えてくれた。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-03 14:41:38) |
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22.主人公の見ていて気持ちのいい直情型の人となりと、事態を発展させつつも必要な手順をきちんと踏んで話を回収していく丁寧な脚本が秀逸。さらにヒロインを非常に魅力的に撮ることに成功していたりと、ヒッチコックらしからぬ作品でありながら、氏の持ち味が存分に生かされている傑作。 【bizen】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-23 23:54:53) |
21.前半がなかなかオシャレなカットが多くて楽しめました。ケイリー・グラントとエヴァ・マリー・セイントの会話シーンもクサいなぁと思いつつもしっかり惹き込まれてしまいました。ロマンチックなシーンもいっぱいありますが、クライマックスで登場する家政婦のオバちゃんが個人的にはツボ。身のこなしや察しの良さがその道のプロです。一体何者だ。ラストカットもあからさまでちょっと笑った(^^;。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-18 08:02:24) |
20.ヒッチコックではこれが一番気に入ってます。他にもいろいろ好きなのあるけど・・・ 【ぶぅ】さん 8点(2004-04-24 23:02:10) |
《改行表示》19.ヒッチコック作品にはずれはないよな~ロープは滑ったが、この作品も なかなかの秀逸。 【ボバン】さん 8点(2004-03-17 03:15:45) |
18.普通に面白かった。でもラシュモア山より、「逃走迷路」での自由の女神のほうが印象に残る。 【ボーリック】さん 8点(2004-01-12 02:09:02) |
17.商業的な成功をかなり意識して作られたと思われる、何でもアリアリの幕の内弁当的映画。娯楽映画の教科書的作品。日本でいうなら「踊る大捜査線」と言ったところか。 |
16.主役の二人以外にも味があります。特にジェームズ・メイソン、マーティン・ランドー(目が怖い!)のミステリアスぶり。ジェシー・ロイス・ランディスの屈託のない母親。グラントとランディスは「泥棒成金」でも共演していますね。 【Mr.MONK】さん 8点(2003-12-15 22:38:40) |
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14.《ネタバレ》 結論:ヒコーキには絶対追いかけられたくない! 【さそりタイガー】さん 8点(2003-12-03 01:59:02) |
【STYX21】さん 8点(2003-11-13 06:25:41) (笑:1票) |