1.《ネタバレ》 う~む、あんまり評判よくないあ・・。ワシは、結構好きで何回も見てるんだけど。でも、下の人達が言ってる事のほうが、冷静かな。始めは、ワシもぼんやり見てたんだけど、最初の戦闘シーンで、あの当時の、独特の戦い方の恐怖が、生々しく伝わってきて、そっから先は、かなり夢中になって見た。・・こう、原っぱの向こうから赤服のイギリス兵が、整然と並んで行進してくる。それに向かって、まちまちの服装をしたアメリカ民兵が、好き勝手にパンパン鉄砲撃つんだけど、イギリス兵はバタバタと倒れながらも隊列を崩さず粛々とやってきて、有効射程に入ると、号令とともに一斉射撃。アメリカ側が崩れだすと、銃剣突撃で、一気にに白兵戦に突入。なんというか、戦闘のテンポが今のワシらからすると、のどかに感じられる程のんびりなのに、内容は、非人間的で残酷。ここらへんの流れが、妙に生々しくて、こわい。今なら、メル・ギブソンの「パトリオット」とか、当時の戦いを描いた映画が結構あるので、そうでもないが、この映画を見た当時は、かなり新鮮だった。荒くて暗い画質も、アメリカ独立初期の、野蛮で粗野で素朴な雰囲気を伝えてるようで、この映画に合ってると思う。アル・パチーノ演ずる主人公も、すごい好き。無学で粗野で寡黙で素朴で暖かい。キンスキーとの恋愛も客観的に見ると唐突なようなんだけど、当時の素朴な人達だったら、こんな感じなのかなあ・・と、変に納得して見てた。息子との関係も、あれだけ命がけで守ったのに、別れるときは以外にあっさりしてて、返ってそれが、主人公の人間味をかもし出してるように感じられて、あたたかい気持ちになる。ラストのキンスキーとの再開も、冷静に見ると、ご都合主義的な感じがないでもないのだが、ワシはポロポロ涙をこぼして「ああ、よかったなあ!あったかな、しわわせな家庭を作るのだろうなあ・・」と、満足な気持ちで、いっぱいだった。今見ても、その全体的な印象は、くどくどした心理描写はしない、素朴な叙事物語を見ているようで、当時のアメリカにぴったりしてるようで、妙に新鮮だ。