1.《ネタバレ》 初めて映画館で号泣した。大粒の涙がボロボロこぼれて大変だった。人がいなかったら間違いなく「うわーん」と声をあげて泣いたと思う。
この作品は私の感性にドンピシャではまってしまった。泣くツボは人それぞれ。だからこの作品を見ても全く泣かない人もいるだろう。でも、ツボにはまるかはまらないか・泣くか泣けないかは置いておいて人生で一度は観た方がいい作品だと思う。
それはこの映画は、色々なことを感じ・考えさせてくれるものになっているから。
漫画を読んでジーンとしたので、少しは泣くかな?くらいに考えて観にいった。
前半はゆるい感じで、「あー。やっぱり邦画は原作を超えられないんだな」なんて観てた。
でも中盤から、ラストにかけてのたたみかけがハンパなかった。西田敏行さんの人柄だろうか・・西田さんは役ではなく、完全に「お父さん」だった。
優しさ・温かさ、一方で孤独・つらさ・死への恐怖 全てが演技ではなく本物に感じられた。観ているうちにこのお父さんにはずっと生きていてほしいと、願わずにいられなくなっていた。
悲しくて泣くだけではない。お父さんは旅の先々で、出会った人に思い出を残します。
それの全てが温かく、優しいんです。
エンドロールが終わっても、立てないほど号泣してる若い女の子がいた。子供が泣いているのが聞こえた。周りの多くのお客さんが泣いていた。
映画館で観てよかった。こんな作品を観れてよかった。何も感じないかも知れない。全く泣けないかもしれない。でも今、この映画を観た方がいいと思う。特に若いうちに。
はたしてラストの画面を思い出せる映画って、いったいどれだけあるだろう?
映画の内容は覚えていても、最後の最後、どんな画だったまでを覚えている映画は少ない。
この作品のラストのセリフと画の美しさを、私は多分一生忘れられないと思う。
くしくもロケ地は今は無き福島の海、宮城の旅館。一瞬でも見逃したくない、東北の風景。エキストラの方も震災で亡くなったと聞く。今年だったら撮ることは出来なかった。例えハリウッドが100億円かけてもリメイクできない。この風景はもう無いのだ。CGではない110万本のひまわり畑も素晴らしかった。育てたスタッフの熱意を感じずにはいられない。まぶしい黄色が今も目に焼きついて離れない。
ストーリー・キャスト・演出・映像・音楽の全てが素敵な作品。人生観を変えてくれた映画だ。