7.《ネタバレ》 ちょうどあるドラマの影響で考えていたところだった。女性は生物学的には10代後半~40代半ばぐらいまで出産が可能だよなー…でも、経済的状況や子育ての負担を考えたら10代や40代はキツいんだろうな…などと。
その、女性は長い年月出産可能という事実を活かした、予想できない展開であった。主人公の母は10代後半か20代になってすぐに、最初の子供を産み、30代後半~40代前半の間に主人公たちを産んだのだろう。理論上はありえるが、あまりにも悲しい。
この作品は出来は良いが重いと聞いていたので、なかなか見ることができず(13年春の身内の不幸も更にそれに拍車をかけ)今回やっと見ることができたが、辛い中にも色々考えさせられることがあった。
多くの内戦で行われているであろう、兵士ではない民間人(当人たちは組織に所属しているというのだろうが)が罪のない民間人を殺害する光景。殺害の理由は、異教徒であるということだけで、そのような虐殺により報復の連鎖が起こり、罪のない人々が殺されていく…
冷戦後に内戦が増加したと学んだが、内戦は、一般の戦争よりも正義や秩序が無いと感じる(一般の戦争を支持するわけではないが)
ここ20年ほどでこのような紛争が増加・継続しているというのは、ただ空しく悲しい。
作中でも1人のムスリム側の人間の暴走(キリスト教徒の虐殺)により、キリスト教徒側が怒り報復をしかけているため、その他大勢のムスリムが逃げているというような描写があった。これは911テロを彷彿とさせる。
この立場は入れ替わる場合もあると思うが、一部の暴走の被害を受けた側が、攻撃してきた側全体を憎むというのはあまりに短絡的すぎやしないか。(日本人の反韓感情にも当てはまる)
色々な思想・文化が存在するこの世界で、一部の行動をその集団全体の総意と思うのはあまりに危険だな、と。
話が映画の内容から逸れたが、フランスが製作に携わっているからだと思うが、スローテンポな点や独特の美意識がこの作品に、戦争・ミステリーというテーマ以外の魅力をもたらしていたように思う。