《改行表示》32.これほどまでに中立を保った作品に感服。 反対・賛成、どちらに偏った作品も作るのは簡単だと思うが、間に立って 問題提起する作品は少ないと思う。 死刑囚マシューに対して同情もできないが憎むこともできない、その作りが妙。 同情しそうになるような場面では、彼がやったことの残虐さを思い出させる回想を入れ、 観客がマシューに肩入れしすぎないように作っている。 自分がもし、死刑制度に賛成か反対かというディスカッションをさせたいなら この映画を見せるだろうなー。 見終わって、賛成と言う人も居れば反対と言う人も居るであろう、良くできた問題提起作品。 |
《改行表示》31.重くずっしりと心に響く映画だった。被害者の側も加害者の側も偏ることなくきちんと描かれていると思う。とかく死刑廃止・存続が議論されるけど、意見を述べる前に見てほしい映画だ。ただ気になったのは、死刑廃止論者=共産党員みたいな表現があり、米国における共産党への偏見が気になった。 スーザン・サランドンは、主演女優賞に輝くだけあって大変すばらしいし、ショーン・ペンもまた少しも負けていないと思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-21 16:05:54) |
《改行表示》30.《ネタバレ》 魂の救済という重いテーマを正面から受け止めて、しかも死刑賛成派も反対派も公平に描いている非常によくできた作品。ラストも含めて無理のない素晴らしい脚本である上に、主演二人の熱演も奏功し、観客に深く考えさせる映画になっている。特に、嘘発見器を使った再調査を要望するマシューの精神状態は極めて興味深いし、ありそうな話である。凶悪な犯罪者であるマシューもただ一人の弱い人間に過ぎず、嘘でもいいから家族から良い人間と思われて死にたかったのだろう。 ただし、この映画を観ても自分の死刑に対する考え方は変わらなかった。マシューが結果的に悔い改めたのは喜ぶべきことだし、本人にとっても幸せだったろうと思うが、死刑宣告を受けないと結局彼は悔い改めることもなかったろう。とすると、死刑はやはり必要なのだと考えられる。むしろこの作品を観て、さらに死刑賛成の思いを強くした僕は製作者側からすると誤算かもしれない。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-05 23:35:48) (良:2票) |
29.《ネタバレ》 自分の死を目前にしてようやく目を背け続けてきた罪を告白し、後悔と恐怖を抱いて処刑される…宗教的に言うなら最後に魂の救済がなされたのも死刑あってこそなのだから、この流れだけ見ても単純な死刑反対の映画ではない。言い換えれば死刑囚にとっての本当の罪の償いとは何なのか、が描かれているだけ。だけど重要なのはそこなんですよね。終身刑を題材にこういう映画作ってもテーマは同じだと思います。死刑そのものの是非より、社会秩序がどうのとか遺族の感情がどうのとか知りもしない外野がそういう理由で軽々しく死刑を論ずること自体野暮なのかも、とも考えさせられました。 【QUIZ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-05 18:53:22) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 とても重苦しい映画です。無実の罪ではない死んで当然だと思われる死刑囚が主人公という所にひかれます。多少、キリスト教がうっとうしく感じたが、それなくしてはこの映画が成立しないので許容範囲。後半での罪を犯したものの苦しみや、後悔の表現が素晴らしいです。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-13 18:07:32) |
27.死刑は、その犯罪を犯した死刑囚、その家族、被害者と遺族など多くの人に影響を与える。死刑が、というよりも犯罪そのものが多くの無関係な人の人生を大きく変えてしまう。そしてどんな凶悪な死刑囚であっても、被害者の遺族にとってはモンスターでも彼らにも愛すべき家族がいる人間なのだということ。それにしてもショーン・ペンの演技には圧巻でした。特にラスト。 【織姫】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-26 13:29:35) |
《改行表示》26.求めに応じたシスター・ヘレンとの交流が始まり、徐々に心を開いていくが肝心のことは語ろうとしないポンスレット。執行の当日ようやく重い口を開き、真相を語り改悛の情を示す。 そこから最後の瞬間までのヘレンへの語りかけ眼差しすべてが切ない。 完全にポンスレットに感情移入してしまいました。 一見宗教的な香りがするが、神に帰依したというよりヘレンという人間に対して心を開いたというように解釈した。 ひとつ難があるのはなぜヘレンに対し心を開いたのかが少々描写不足だったように思う。 被害者の家族の苦しみを解こうと被害者のもとへ訪れ、苦しむヘレンのシーンがあるが、その苦しんだことはポンスレットには知りようがないし、ヘレンも語ってはいない。 映画のなかではそういったヘレンの苦しみと共に被害者家族の悲嘆がポンスレットに無言のうちに伝わったというような意図がなされているようだが、もう少し掘り下げて描いても良かったかもしれない。 宗教や死刑の是非は抜きにして、どうにもならない要因で生命を絶たれる死刑囚と被害者そしてその家族の悲哀をバランス良く描いた秀作だと思います。 【kazu-chin】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-13 15:30:12) |
25.難しいテーマなだけに下手に感情を煽ろうとせず、ドキュメンタリー・タッチに徹したふうの作風は好感がもてた。ティム・ロビンスやショーン・ペンの政治的な立場はあるんだろうけど、そこまで押しつけがましくはなかったように思う。強い信念(というか信仰か)を持ちつつも、被害者と加害者のあいだを行ったりきたりして揺れ動くスーザン・サランドンの姿は印象的でした。八方美人という見方もあるんだろうけど、それぞれの立場の人々の「痛み」を知ろうとする誠実さが伝わる、いい映画でした。 【ころりさん】さん 8点(2004-12-12 14:27:04) (良:2票) |
24.映画よりここのレビューのが濃いね。すごい映画だ。 |
23.《ネタバレ》 キリスト教の最も本質的な教えを取り上げた珍しい映画。ハリウッド左翼のティム・ロビンスも、やはり根っこはここなのかな。で、その教えとは、最悪の罪人の中にもなお神を求める魂の力(=神への愛)が潜んでいて、彼らが自らの罪を本当に見据えたとき、彼らの魂の中に神に向かう意志(=愛)が現れる、という教え。イエスもローマに反逆して死刑になった罪人だった。現世の罪人が本当は神の子だった、という大逆転がキリスト教の出発点に仕込んである。迫害され虐げられたものの中にこそ、神は宿る。イエスはさておき、普通、大逆転は罪を本当に悔いること(「どうやって?どのくらい?」まあまあ落ち着いて。)から生まれる。社会の下層を這いずって生きてきたマシューは、このパターンをなぞっている。顎の細いショーン・ペンの顔は、屑白人(white trash)そのもので(ゴ、ゴメン!)、まさに適役。最後近い場面、マシューは死刑の薬物注射のために十字架状の台に固定されて、観客に正対する。キリストのいた場所に彼はいる。死刑は不当だが、同時に、こうして十字架上で死ぬことによってのみ神の許へ行くことができる。この二重の意味が、あのシーンに込められている。神の許へ行けば、彼が強姦して殺した女性ともすでに和解している。って、やっぱり浮かばれないだろ被害者は、と思うヒトは、御霊と祟りの信仰の中にいて、それはそれで別の宗教世界だからなあ。感動できない、釈然としない、というご意見は、重々ごもっともとしか言いようがない。 【哲学者】さん 8点(2004-06-29 15:07:56) (良:2票) |
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22.この年の助演女優賞には(え?あんなんで獲れちゃってたの?・・って)首をひねるものがありましたが(←某ミラ・S)。この場合のスーザン・Sの主演女優賞にはすごく納得させられました。えらく難しい役をやっていたんだね。人の命の狭間に立たされた者ってツライよね。さすがにうまい演技でしたね、彼女。 そして死刑されて当然の男が死んで行く中でも、ずっと最後まで愛情の手を差し伸べていた彼女には・・ ちょっと哀れみも感じられました。 ※そして死刑制度についてはいろいろと賛否両論がありましょうですが、私は反対ではありません。むしろ、罪が明らかな場合の凶悪犯であるのなら、さっさと死刑にすべきです。某麻原焼香(←一応、アテ字)だってさっさと死刑にすべきだったのです。やっと今頃、タイムリーにも死刑が確定するなんて、あまりにも遅すぎ。 ちょっとショーンの場合とは意味合いが違うけど。。(でも彼にしても無防備な人間2人も殺しといて6年間も生かされている事に、すっごく腹立たしいんだけど。)ショーンだから憎みきれなかったな。やっぱうまいよね。。 【3737】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-02-27 23:18:03) |
21.《ネタバレ》 何と言ってもスーザン・サランドンの哀愁漂う演技、ショーン・ペンの駄目男ぶりも良かった。 【カイザー・ソゼ】さん 8点(2004-02-13 22:52:23) |
《改行表示》20.なんだかとてもメッセージ性の強い作品のように思う。 スーザンサランドンの演技がすごいです。 グリーンマイル同様に何度も繰り返し見れるような作品ではないですね。 【自由人】さん 8点(2004-01-23 13:34:24) |
《改行表示》19.何が良くて何が悪いか。それは人それぞれであって道徳的なものであるのだろう。自分の中で真な事も外では逆の事もある。 己を作っているものはなんなのだろう。倫理とは何なのだろう。 作品を通じて、中間的な位置から考え、自分の位置を確認しました。 【風太郎】さん 8点(2004-01-14 14:46:43) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 死刑問題について考えさせられる作品。彼女がシスターであるからこそ、死刑について新しいアプローチの仕方が生まれたんだとも思う。「彼はモンスターだ。」と死刑執行を切に願う遺族たち、それに真摯に耳を傾けて涙を流す姿。また白人至上主義を謳う死刑囚にやさしく愛というものを思い出させ、家族と再び一緒につなげていく。さらに周りの目が冷たくなっているのを感じながらも、一人の人間に対して真実の告白をやんわりと促し、「これで人間の誇りをもって死ねる、あなたは神の子だ。」と最後にきちっと彼に人間的な姿を再生させる彼女の何ともいえない魅力に引き込まれた(彼女自身の葛藤も見逃せないが)。 これらの演技をスーザン・サランドン、ショーン・ペンと実力派の俳優が演じていたことで、脚本の素晴らしさをそのままフィルムに残すことができたと思う。あと印象に残るセリフが多かった。「死ぬ時になって初めて愛を知った。愛をありがとう。」なんて… 最後にひとつ、どうして彼は彼女に救いの手紙を送ってきたのか、そのきっかけだけ知りたかった。 |
17.監督デビュー作『ボブ★ロバーツ』では、アルトマンの影響を感じさせる演出手腕を見せたロビンス。本作では、より真っ正面から題材に向かい合っている。死刑制度の是非という難しい問題に対して、ロビンスは中立でいようとしている。O・ストーンのように主張を押しつけるのではなく、観る者にその答えを委ねている。映画は演説でも論文でもない。それを心得ているのだから、ロビンス夫妻よ、オスカー授賞式でも演説はやめなさい! 【恭人】さん 8点(2003-12-14 02:27:05) (良:2票) |
16.「人が人を裁いていいのか?」と言う疑問はキリスト教的なのかもしれない。なので死刑制度の是非について日本ではあまり議論にならないようだ。実際私はこの映画を見て、原作を読んで、初めて死刑制度について真剣に考えた。見ていて単純には割り切れない、考えさせる映画だと思う。ショーン・ペンはいつも演技過剰であまり好きじゃないんだけど、この映画の彼は迫力あってよかったな。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-11-07 22:00:19) |
15.《ネタバレ》 私はショーン・ペンは恐くて嫌いでした。この映画でも無茶苦茶恐いのですが、なんというか、素晴らしい。この映画でショーン・ペンをほんとーに見直しました。大変失礼しました。ティム・ロビンスもスーザン・サランドンも大好きです。 【きなこ餅】さん 8点(2003-11-04 12:02:26) |
《改行表示》14.死にゆく者に感情移入して感動して…となってしまいがちですが、これは一筋縄にそうはいかない。本当に、加害者側被害者側が中立的に描かれていて、見ていて自分でもどう考えていいかわからなくなる。どっちの気持ちも見えてきて、自分だったらと思うと…。被害者のことを考えたら、残酷だからといって死刑を全否定することもできないような。ん~、やはり簡単に答えを出せる問題ではないですね。 とにかくショーン・ペン、やっぱりいいなぁ。すごいよあなた。 【ckeru】さん 8点(2003-10-20 19:20:31) |
13.めちゃくちゃ暗い映画なのかと思ったらそうでもなかったです。大好きな「ショーシャンクの空に」の主演を務めたティム・ロビンスが監督だということとで、期待して見ました。なかなか深くてよかったですよ。映画そのものを素直に見ていると、死刑にしなくても・・・と思ってしまいますが、残された遺族の気持ちを考えるとそうも言ってられません。映画を見ている間、何が最良の方法なのかがわからなくなってしまいました。やはり、マシューが最後に言い残した言葉が全てだと思います。自然と泣けてきました。やっぱりこうゆうヒューマンドラマ好きだな~。ティム・ロビンスの妻であるスーザン・サランドン主演で夫婦合作。彼女の演技も素晴らしかったです。オスカーに値するだけありますね。そしてショーン・ペンはやっぱり相当な演技派です。久々に見た心に残る映画です。 【未歩】さん 8点(2003-09-15 14:02:09) |