4.《ネタバレ》 幾度も挿入される回想シーンが、ケイト・ウィンスレットのものなのか
ジョシュ・ブローリンのものなのか。
瞬間的に把握しづらいところがあり、また類似場面の反復でもあって
物語を停滞させている気味があるが、それもまた
登場人物を苛むとらわれのイメージを増幅させてもいる。
時代背景を仄めかす映画ポスター類も序盤でさりげなく提示されるのみ。
ラストに活かされるパイ作りのシークエンスも思わせぶりなところが
まるでない。そうした慎ましやかさが好ましい。
大団円の後日談。2人が並び歩く一本道の脇に揺れているのは何の作物だったか。
柔らかい光の中に静かに波打つ枝葉の音。
このラストショットが圧倒的に素晴らしい。
グリフィス的原風景に万感の叙情があふれている。