1.《ネタバレ》 キムギドクが政治の映画をとった。それだけでもかなりスゴイ。
韓国の庶民ののたうちまわるような映画を創り続けてきた監督だから・・・
正に今この時、北朝鮮と韓国の映画を撮るとは、本当に骨のある人だなぁと感心。
しかしこの映画が創られた時は北朝鮮とアメリカの緊張があるときではなかった。
トランプ出現後にこの映画が創られたら、どうなるか観てみたかった。
まぁそれはさておき、力作である。
キムギドクはどの作品も人間を極限状況までおいやる。
そして救いがあるときもあれば、落ち込むような内容のものもある。
あまりにも状況が登場人物をおいやるため、韓国への当局批判として見られがちなのかもしれない。
僕はこの監督は人間を描きたいだけの人のように感じるが・・
今作では韓国よりでも北朝鮮よりでもない。
ただ政治に翻弄されて、悶絶する庶民を描いてるだけだ。
キムギドクは時代に翻弄される庶民を撮り続けることにブレがない。
ただ、ただ素晴らしい作家魂である。