3.《ネタバレ》 今の邦画はハリウッドに追いつこうと何かを無くしてしまっている。
そのひとつが特撮だと思うのです。
ハリウッドはCG使い放題ですが役者も時間もお金も邦画とはかけ方が違います。
「ゴジラ」などの特撮は邦画のオハコだったはず・・
特撮がチャチだなと観ていて思いましたがお話がよければいいんですよ。
日本が沈没するくらいの現象がおきているのにお隣の国に影響が出ないのはおかしい。
しかしそれはSFの範囲でかまわないのです。
なぜなら日本だけアトランティス大陸のように沈むお話なのだから。
突っ込みどころを引いても魅了するのがSF映画だと私は思います。
この日本沈没は暴徒&逃げ惑う人々を描いています。
マドンナ役のいしだあゆみが恋人とはぐれるんですが、
あらら「宇宙戦争」しちゃった~まあいいか暴徒も描けてるしと苦笑。
考えれば宇宙戦争の原作も死んだと思った家族と再会なんてあるんだし、
左京氏がこれをオマージュとさせたのは間違いない。
渚にて、宇宙戦争、ここらの原作を読んでいない昭和のSF作家はいないでしょう。
人間ドラマとしてみるならば「復活の日」より重く深いです。
最初に観た時は東宝の特撮のチャチさで減点しました。
ところが今回は最初に違和感を感じた特撮も、
人間ドラマとして見ることが出来(すでに見たから)
後半なんか感動して泣けました。
日本人にしかわからないかもしれない感情・・
それを沈む島国に残る人に見ました。
一番日本のことを思い力になった人が・・
そこを離れたくないと言うのです。
それもまた彼らの生き方なのです。
しかし・・あの感動したキーワード役の渡老人・・
来年のリメイク作ではないかもしれないのです。
渡老人を抜きにして制作して何の意味があるのか・・
もし災害になったらどうなるかがこんなチャチな特撮でも、
リアルに感じ感情移入ができる怖い映画です。
この感情を洋画に感じるのは難しい。
やはりいしだあゆみの役どころや突っ込みどころはありますが、
あの「宇宙戦争」だって原作も生き別れ再会なんだし、
SF映画に細かい突っ込みは仕方なくそれを上回る出来なので許せる。
良い映画なら邦画に高得点をつけたっていいと思うので、
7点から8点に加点したいと思います。