14.《ネタバレ》 黒人マルコムⅩ。
一人の偉人を通して見えてくるのは、
この世界の仕組みは差別と迫害と搾取と私欲でできてるのだということでした。
残念な気持ちです。
しかし一人の人間としてそこに闘い続けなければならないという精神を宿した映画だと感じます。
最初は逆人種差別みたいな「白人が今まで黒人にしてきたのと同じように拒絶してやるぜ」みたいな内容の映画だと思っていました。
しかしそういった過激で好戦的な内容の映画でないことは徐々にわかってきます。過剰なプライドを示す映画ではありません。
しかしもっと深いところで自尊心が湧くような内容でした。
(・・・なんだか"教祖イライジャ"の吹き替えがちょっと変だなと思っていました。
そしてイライジャがやたらと性的なことを強調していうところに違和感を感じていましたら、なんだそういうことだったのですね)
僕が感銘を受けるのは偉人マルコムⅩという人が富や名誉といったものに無頓着であったということです。
感じたことは、"神との繋がり"を得た人ほどそういった私欲に無頓着になるということです。
それとは逆に指導者イライジャやブラックモスリムの人々は私腹を肥やし裕福になっていったようです。
序盤に登場した黒人のヤクザとブラックモスリムとはそんなに変わらないのかもしれません。
ただそこを責めるでもなく、自分を守ることもせず、黒人を兄弟と呼び心を開いた偉人マルコムⅩの聖人ぶり。
素晴らしすぎます。神聖な雰囲気も漂わせる映画でした。