3.《ネタバレ》 妻投稿■ごめんなさい。投稿者数50人で平均点5.00点という奇跡とも言うべきシンメトリーを私が壊してしまいます。■それはともかく、この映画のキーワードはズバリ「1991年」。私がまだ6歳だったころお母さんと映画館で見て、最近見直しました。この時代は冷戦が終わり、バブル真っ盛りで未来志向の時代。この映画もビオランテまで確実にあった黒とこげ茶色に非常口の緑を加えた「昭和的映画世界色」が一気に廃されています。司令部のデザインも前衛的だし、暗闇のシーンが多かった前二作と違って昼間のシーンを多くして、ゴジラ1984では真っ暗な中に立ちはだかっているだけだった新宿副都心の未来さを際立たせています。未来人のネタや過去や未来に縦横無尽に飛ぶストーリー、キングギドラまで未来志向にしてしまうあたりには、「ゴジラというSFを使い、どれだけ映像の世界で未来を描けるか」に果敢に挑戦した作品だと言え、2009年の今見れば合成や映像技術にダサさも見えますが、このダサさも「懐かしさ」と「未来」が複雑に融合した独特の味を見せてくれています。VSシリーズではビオランテと並んで凝ったストーリーですが、ビオランテとは対極にある方向性を見せていると思います。ゴジラザウルスがタイムスリップする際にわざとらしい感動的な光のオーブを見せるのではなく、CGで浮き上がったゴジラザウルスの形が細かいパーツごとに消えていくのと交互に見せる演出はかなり秀逸。キングギドラとゴジラが交互に敵味方になったり、人類の科学力故に主人公の苦肉の決断がよりシッチャカメッチャカな事態を生みだす堂々巡りともいえるお話は、ゴジラのメッセージを「未来」という絵具で表現した結果ではないかと思います。