浮雲(1955)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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浮雲(1955)

[ウキグモ]
UKIGUMO
1955年上映時間:124分
平均点:7.43 / 10(Review 54人) (点数分布表示)
公開開始日(1955-01-15)
ドラマラブストーリーモノクロ映画小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-10-05)【にじばぶ】さん
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監督成瀬巳喜男
助監督岡本喜八
キャスト高峰秀子(女優)幸田ゆき子
森雅之(男優)富岡兼吉
中北千枝子(女優)邦子
岡田茉莉子(女優)おせい
加東大介(男優)向井清吉
山形勲(男優)伊庭杉夫
村上冬樹(男優)仏印の試験所長
大川平八郎(男優)医者
千石規子(女優)屋久島の小母さん
金子信雄(男優)仏印の所員・加納
谷晃(男優)信者
堤康久(男優)田村事務官
瀬良明(男優)太田金作
出雲八重子(女優)下宿のおばさん
三田照子(女優)伊豆長岡の旅館の女中
音羽久米子(女優)
木匠マユリ(女優)飲み屋の娘
馬野都留子(女優)
吉頂寺晃(男優)
恩田清二郎(男優)
今泉廉(男優)
原作林芙美子「浮雲」
脚本水木洋子(脚色)
音楽斎藤一郎
撮影玉井正夫
製作藤本真澄
東宝
配給東宝
特撮東宝技術部(特殊技術)
美術中古智
編集大井英史
録音下永尚(整音)
照明石井長四郎
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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15.優柔不断、仕事出来ないどうしようも無いダメ男の癖に女にだけはやたらモテる。 こんな男確かにいてるが、いつも哀愁を帯びた森雅之はよく似合う。こんな経験が無い小生には羨ましいとしか言いようが無い。 又はこんな男に惚れた弱みで離れられずズルズル人生落ちていく女を高峰秀子が好演。清楚な顔なのにこんな汚れ役でも簡単に出来るのが凄い。 戦後10年この時代によくこんな退廃的な映画撮れたもんだ。それだけでも成瀬監督凄いわ! 作中ずっと同じ調子で流れている音楽も印象的である。
とれびやんさん [インターネット(邦画)] 8点(2020-05-16 23:57:49)
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14.のらりくらりと特にこれというメッセージもシナリオもないのだが。退屈せずに観れるのは何故だろう。ラストはなんとも悲しい話だったが、この2人にはこんな最後が待っていたのは至極やむおえない様に思った。 このダメ男の話は後向きな話が多いのだが、女も退屈してるものたちが周りにたくさんいて、とにかくよくモテる。しかも美人だかりにだ。次々と家に女が現れて奥さんはどう思ってるのだろう?こういうダメだけどマメな男はいつの時代も放っておかないのだろうか?高峰秀子は私の好みなので、映画ながら羨ましい限りだ。ようやくこの男も覚悟を決めたのだが、時すでに遅くで病で弱っていく彼女は本当に健気で観ていたら心が沈んでいくのが自分でもわかった。結果面白かったがもう一度観たいとは思わない作品。
SUPISUTAさん [DVD(邦画)] 8点(2019-09-23 19:13:17)
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13.《ネタバレ》 成瀬巳喜男の最高傑作をめぐって、様々な意見があると思う。「流れる」「乱れる」「驟雨」「稲妻」等々。 この作品も成瀬の映画だから退屈はしなかったし、面白いシーンも多いし、照明に限って言えば最強だと思う。ただ、自分は他の作品ほどこの映画に惹かれなかった。  だが、だがである。 とにかくディープな、本物の恋愛映画を見たければこの「浮雲」は外せないだろう。ドロドロになっていく男に弄ばれる女たち、女を振り回す男たち。   戦後に復員船で引き上げる顔ぶれの中に高峰秀子。一人歩き、一軒の家に辿り着く。窓ガラスにはまだ飛散防止のためのテープの跡が。  玄関で出迎える人妻の微妙な表情、部屋の奥から出てきた男と女の関係が表情で語られる。それをハッキリと捉える照明の素晴らしさ。  知り合いの男と話しながら街中を歩く。ひもじい現在と闇市、華やかな過去、現在の会話と過去の華やかな会話の対比。  異国での出会い、下着の上は布一枚、時折透けて見える下着、密林は二人の情事を隠すように拡がる、密林の口づけが現在の密室の口づけにつながる。 長年待っていた妻、命からがら逃げてきた浮気相手、心も肉体も疲れ切った二人。  ラーメンを食べるもう一人の男 暗闇で飯をむさぼるように襲い掛かる過去。   アメリカ人のナンパ、何時の間にか娼婦にまで身を堕とす、愛していた筈の男も既に過去の存在、男にバレないように複数の男たちと交流する。  蝋燭が灯す微妙な表情の変化、出て行った男を思わず追ってしまう未練。  旅館、心中、死ぬ死なない、風呂場で混浴。 「妻よ薔薇のやうに(妻よ薔薇のように)」は女同士で男を追う途上を、この映画では混浴で二人の関係を強調するために挿入される。  時計も何もかも売っぱらって金にする、店先の若くて美人な女と人目がいなくなるや肩を抱いて見つめ合う。ま た 混 浴 か  イチイチ階段を上ったり降りたりして風呂場へ、スリップ姿で男の服をチェック、スカートのチャックを引き上げる女の仕草、敗北感をさとる表情は、中々以前の情熱を自分に向けてくれない男への苛立ちでもある。  明日は右と左、思わぬ再会、ドロドロの大人の世界も子供たちには別世界、言い訳を重ねる男、女も男を振り向かせるために真実を告げる、居座る理由欲しさに子供を要求する。女ではなく女の子供にだ。産んだ方が幸せなのか不幸だったのか。 寒気がするのは子供を殺してしまった事にか、男の言うとおりになってしまった自分が悲しかったのか。どっちみち自分の子供を殺さなければならない苦しみは計り知れない。新聞に見覚えのある表情を見る衝撃。   謎の宗教、馬鹿馬鹿しさに笑いをこらえながら集金箱に眼をやる視線、火鉢で煙草を呑み油断を誘う。     後半はとにかく殺しまくる脚本。 ままごとの偽りの方が真剣で幸せそう、電報、土砂降りの雨、荷物の中にしまわれていた札束の山。  高峰秀子の浴衣姿が超いろっぽい。男の態度に泣き出してしまう、電車で一緒に逃避行、男も女のしつこさに疲れてくる。 看病で再び縮まる仲、雨の中身を寄せ合う・・・あんなに合っていた筈なのに。  何度も心配そうに頭をたれる医者、延々と雨が降り続ける空が晴れて・・・冗談でも言ってはいけない一言、見てしまった葉書、窓の扉、猛烈な嵐。  別れの化粧、いなくなってはじめてわかる存在の大きさ・・・。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-11 04:35:41)(良:1票)
12.この映画は音が支配している。室内のシーンの前には必ず屋外の音を伴うシーンがあり、その音が室内の雰囲気を規定している。拍子木や獅子舞の音楽、雨の音、新興宗教の儀式の音、犬の鳴き声、踏み切りの音等々挙げればキリがない。これらの音が室内の情感を豊かにしている。フラッシュバックや回想が挟まれるなど、少し珍しいような気がしたが、唯一の明るい日差しがインドシナであったことが象徴的であった。
Balrogさん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-20 15:32:39)
11.何度も観ている、好きなラブ(?)ストーリーの1本。たった一人でも腐れ縁の女性がいるってことは素敵な人生だと思う。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-12 17:38:02)
10.切りたくても切れない腐れ縁とは、こういうものですかね。女心とは、こうも可愛く、いじらしい複雑なのを高峰さんが見事に演じてくれました。
白い男さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-11 11:10:23)
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9.《ネタバレ》 高峰秀子と森雅之の会話のやり取りが非常に素晴らしく、シナリオを手に入れて読み返したくなりました。ストーリーは結構ドロドロとしたものなのですが、比較的乾いたタッチで描かれており独特の空気が映画全体を覆っていて、それが不思議と心地良さを感じさせてくれます(山形勲が良いアクセントになっています)。   この映画の最大の魅力は、高峰秀子演じる主人公が我々男性の多くを占める「弱くて、人間のずるさを持ってそれを隠している」人間にとってまさに理想の女性であるということでしょう。自分勝手で見栄っ張りで卑怯な男の性質を理解した上で、変わらぬ愛情を持ち続けていてくれる・・・・・。まあ、実際にはそんな都合の良い女性にめぐり合うことなんてありえないのでしょうが、それでも夢見てしまうのが男の哀しい性なのでしょうね。 
TMさん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-07-24 17:51:55)
8.成瀬巳喜男の最高傑作らしいという前知識をもって鑑賞したのですが、その最高傑作という言葉にかなりの違和感を持ったことをよく覚えています。これ観たとき、『夫婦』とか『妻』、その他いろいろをいっしょに観たのですが、この『浮雲』よりもその他の映画のほうが良かったと思ったし、他の作品に感じた成瀬的なものをこの作品に見出すことが出来なかった。私が当時思っていた成瀬映画(現代劇)の世界観というのはもっと些細な出来事を、あるいは物語とは別のところで見せる小さなやりとりをこそ映し出す、その繊細な感覚というのがまずひとつあるのですが、『浮雲』は「出来事」が作品を支配し、男女の大河ドラマ風になっている。でもね、時がたつとともにおかしな現象が私を襲いました。成瀬映画を思い出そうとすると、まず一番に出てくるのがこの作品の高峰秀子のアンニュイで愚痴っぽい語り口。そして旅先での歩き姿だったり、男の部屋に立っている姿だったり、病床に伏せっている姿だったり、、。他の作品を押しのけて頭に浮かぶのはこの作品の風景ばかり。実のところまだ一回しか観ていないのですが、頭の中では何十回と上映されております。そしていつのまにか傑作だと思うに至ってしまったという稀な映画となりました。
R&Aさん [映画館(邦画)] 8点(2007-04-25 13:08:03)(良:1票)
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7.《ネタバレ》 本当に、久しぶりに見なおしてみて成瀬の映画の持つ不思議な吸引力にただひたすら感心しています。暗くてじめじめしがちな話なのに、引き込まれてしまう。高峰秀子の微妙な表情の使い分けの妙。高峰と比べると割を食らってるのが岡田茉莉子だね。彼女は、まだ後の時代の表現力を獲得しておらず、それだけがちょっと残念。 
いのうえさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-18 23:19:16)
6.場面と場面の間の、登場人物の移動を表すもの、そしてそれに伴う時間の経過を表すものが、省略されており、各場面が、断片として積み重ねられている、この落ち着かない感覚(その中で、ラスト近くの汽車&船のシーンが、明確に移動を表現していて、とても印象的で、かつヤな予感もするのだけど)。そう、この断片感覚はまるで、男女2人のショートコント集を観てるような----とか言っちゃうと身もフタもないので-----あるいは、主人公2人をメロディとした変奏曲が展開されているような。このナルセとか言う監督はどーも油断のならない監督で(映画観ながら油断するヤツが悪いってか?)、どーも観てて疲れる、挑戦しがいのある強敵だ。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:36:11)(良:1票)
5.モノクロの画がとても綺麗。今まで観たモノクロ作品は「これはカラーで観たかったなぁ」と思う映画ばかりだったのに、これはもう絶対モノクロが良い。モノクロだからこそ引き立つ墨色のバランスや光の明暗に惚れ惚れした。そして高峯秀子が凄い。美しくて嫌味で、皮膚に粘っこいものが浮き上がってくるようなあの感じ。時折パパパッと移っていく視線なども、女の情念が充ち満ちていた。ストーリーは、もうどうしようもない男と女の道行き。二人で酒を飲んでは管を巻き、そぞろ歩きしては反発しあう。それでもお互いの心にこびりつく想いをたどってまた会ってしまう。華々しくて爽やかなだけが恋愛ではない。泥の中を歩んでいくようなこんな二人の関係もまた愛なんだろうな。
のはらさん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-29 13:22:25)(良:1票)
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4.《ネタバレ》 最近読んだ小説に、「恋をする女性は現実の男を見つめているとは限らなくて、もっと遠くにあるよくわからないもの、途方もなく美しい極みたいなものに焦がれていることがある」という意味の一節があった。たぶんこの映画のゆき子がそうだったんじゃないかと思う。   敗戦後の何もかもが色を失った苦しい時代に、南国で過ごしたひたすらに幸福な時の記憶を抱きしめて生きる。親類に性的な虐待を受けていたゆき子のなかでは、暗い思い出のある日本を遠く離れて過ごした日々が、本当に美しく輝いていたのだろう。しかしゆき子を待っていたのは、日本の敗戦と貧困、愛した男のみすぼらしい本性。   本当はここで足を踏ん張って、前に進む道を選ばなければいけなかった。甘い時代の残像を追いかけて生きるべきじゃなかったのだ。しかし未来を見なかったがために、ゆき子は地に足の着かないまま、ふわふわと漂流するような人生を送ることになってしまう。   娼婦のまねごとをして、インチキ宗教家の親類に生活を頼ったかと思うと、大金を盗んで逃げる。堅実な職業に就いたり家庭を作って定住したりはしない。だけど人間は本来、安住の地を求める生き物だ。どこか特定の場所にしっかり根を張って、しっかりした人間関係を築くことで、自分が帰ってくる居場所を作りたがる生き物だと思う。放浪生活を送る人間ほど、繋がることへの渇望を抱いている。ゆき子のそれはあまりにも強く、それゆえに却って現実を見失ってしまう。   劇中では殺人事件なども起きており、後になって考えるとかなり劇的な物語なのだが、観賞中はそれほど違和感を覚えないで普通に流していた。それほど自然で説得力のある演出だったのだ。しかもとにかく観る者を引き込むのが上手い! 暗い内容にもかかわらず、前のめりで鑑賞してしまった。これほど強烈かつリアルな人間ドラマはなかなかない。成瀬巳喜男の比類ない才能を思い知った。
no oneさん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-09 03:46:59)
《改行表示》
3.《ネタバレ》 ファーストシーンは、船から降りてきた大勢の群集の中から主人公ゆき子が姿を 現す所から始まる。そして、ゆき子は富岡の家をたずねるが、老齢の女性、中年 の女性と出てくるがなかなか富岡は出てこない。ゆき子が農林省の使いだと言う とやっと富岡が出てくる。 いったいどういうことなんだ?訳がわからんと思っ ていると、灼熱のインドシナでの二人の出会いのシーンが回想され、ファー ストキスの場面まで行くと、重なるように現在の日本でのキスシーンに戻ってい く。こうして、二人の関係の謎が明かされる。この後も、最後まで意味深で緊張 感に満ちたシーンが続くので、重苦しく暗いドラマにもかかわらず不思議と飽き させない。説明的なシーンが少なく、そのときの状況や男女関係の心理模様をゆ き子(高峰秀子)の顔の表情や目の動きが巧みに表している。音楽も、意味深で 印象深い効果を発揮している。サイコメロドラマ、あるいはサイコラブストーリー と言えるような映画だった。
サラウンダーさん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-05 01:35:31)
2.去年、池袋の文芸座でやっと観ました。もちろん感銘は受けたけど、予備知識を色々入れた後で観てしまったので、教科書をおさらいしているような感じでした。改めて映画っていうのはまっさらな白紙の状態で観るのがいいと思った次第です。高峰秀子はこういう投げやりで物憂げな台詞が巧いですよね。森雅之のダメダメ男も魅力有り。
放浪紳士チャーリーさん 8点(2004-04-11 15:27:37)
1.ダメ男と分かっていても、腐れ縁でズルズルと関係を続けていった挙句に遠く屋久島くんだりまで行って死んでしまう女の悲しさ。そんなどうしようもなくやるせない男女の関係。高峰秀子が人生をだんだん落ちていく女だがその表情が印象的だった。
キリコさん 8点(2003-02-08 15:38:18)
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【点数情報】

Review人数 54人
平均点数 7.43点
000.00%
111.85%
200.00%
300.00%
423.70%
559.26%
659.26%
71222.22%
81527.78%
9712.96%
10712.96%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.50点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review3人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review2人
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