5. いやもう、見事としかいいようがない。
一般的なホラー映画と違って、グロテスクな場面やおどろおどろしい妖怪はいっさい出てこないにもかかわらず、
人間の情念の怖さを存分に感じさせる内容だ。
ふつうCGが使われるのはゴーストに必要以上の演出を施してしまわれがちだが、
ここで使われるのはちっとも怖くないカニや骨魚。
その代わり生身の人間に近い死人の霊に想像力を働かせてしまって逆に怖さを感じてしまう。
単にホラー映画というだけでなく、
アイスのエピソードなどほろりとさせる演出を取り入れ、友情のエンディングへと続けていく脚本も素晴らしい。
灯籠流し、お地蔵様、田畑、海辺、蔵の家と田舎を舞台にして、現代の子供たちが忘れてしまったものを思い出させてくれる。
いつか子供と一緒に見たいホラー映画№1。
長さ、キャストともに文句なし。