10.《ネタバレ》 「ゴジラ(’54)」は別格として、東宝特撮映画のベストは皆様いろいろございますでしょうが
私にとってはこの作品。各スタッフがプロの仕事に徹して作り上げた邦画ファンタジー映画の最高峰。
特撮の素晴らしさやシナリオの良さは下記レビュアー様のご感想に記載されてるので
割愛するとしても、何しろ人員配置の妙に尽きる。皆素晴らしいのだ。
主演にフランキー堺(宝田明や佐原健二だと悲愴的だし高島忠夫はイェーイ、だし)はいい。
香川京子の丸顔(実は東宝特撮映画の出演はこの作品のみなんだけど、惚れる)もいい。
水野久美とか浜美枝みたいなクール・ビューティなら「裏切り者?」になっちゃうし。
志村喬+上原謙+平田昭彦+河津清三郎ですよ。安心して見てられる。
うさん臭さ丸出しのジェリー藤尾、そしてデビューから2年目のザ・ピーナッツ。
歌の素晴らしさもさることながら「まだ化粧には慣れてませーーん」みたいな
田舎臭さがインファント島の雰囲気にドンピシャ。
音楽も伊福部昭じゃなく古関裕而なのがいい。朝ドラ「エール」のあの人ですよ。
この映画のMVPはもちろん特技監督円谷英二の特撮技術なんだけど、
特に東宝特撮映画史上最大のミニチュア・セットを作り上げた
特殊美術の渡辺明と井上泰幸。本当にあっぱれだ。
今回「午前10時の映画祭11」のデジタル4Kリマスターで鑑賞したのだけど、
昨今のkaijyu映画に観られるCG丸出しの「街、壊れたんじゃね?」
みたいな映像とは異なる「破壊の様」が大スクリーンで見れた事に
おっさんは感動しましたよ。よかったよかった。
という事で今回の点数にはその点加味されているので甘いかな、と思いますが
機会が有ればぜひ。極彩色の艶やかさ。