18.《ネタバレ》 寅さんシリーズには負けるけど、日本映画史上屈指の長寿シリーズの記念すべき第一作です。いい歳して座頭市ものをじっくり観るのは初めての自分、市がヤクザだという事すら認識していませんでした。タイトルロールを観て伊福部昭が音楽担当と知ってちょっとびっくり、でも確認すると全作とは言わずとも座頭市シリーズではかなりの作品に参加していたんですね。時代劇での伊福部昭サウンドは、東宝特撮とはまた違った重厚さがあります。 26作も製作されたので後期のまるで超能力者みたいな市のイメージしかなかったんですけど、本作での勝新太郎はもう惚れ惚れするぐらい深みのある人物像で、その演技には圧倒されます。盲者である市が周囲の事物を感知できるのは鋭い聴覚と嗅覚が成せる業という描写にもけっこう説得力があり、現代的に言ううと市は絶対音感の持ち主というわけですね。意外と居合の技を見せるシーンは少なく、初めて抜くのは開幕三十分は過ぎてから。そして“座頭市と言えば仕込み杖”というイメージがあるけど、本作ではドスを杖代わりにしていて、終いにはそのドスも「平手御酒の供養に埋めてくれ」と言って小坊主に渡して捨ててしまう。こういうところはラストでバッジを投げ捨てる『ダーティハリー』と一緒で、まさかこれが大ヒットしてシリーズ化されるとは予想してない撮り方みたいな感じがします。平手御酒=天知茂の哀愁が込められた演技もまた素晴らしく、自分が今までに観た時代劇での天知茂のベストアクトです。 26本も製作されているのでとても生きているうちに全作観れる気がしませんが、機会がありましたら他の作品も観てみたいと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-09-14 22:23:08) (良:1票) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 邦画No1のハードボイルド味。情感は完ぺきに和のテイスト。抑えめの友情、仁義、淡い悲恋。良いなあ控えめなケレンみ。 剣術のレベルが超人的な市の、その技が三回ほどなのも良いです。あまりに連発されるとありがたみが減っちゃいますもんね。「見世物じゃねえや」です。 勝新の市は文字通り唯一無二のキャラクター。親分には(一応)へりくだりつつ、腹の中では高く買っちゃいない。そのトボけ具合と真人間としての気骨。この役をその後も誰一人ものにできていないのもむべなるかな。 天地茂の愁いを帯びた平手の存在感もおたね役の万里の美貌も、組の下っ端らのこすっからさも皆その役柄にピースのようにぴたりとハマる。観ていて快感です。 江戸の町がリアルに感じられる美術も撮影も素晴らしいと思いました。夜道は闇が深いし、人物が提灯を手渡す気遣いをしょっちゅう見せるところに日常の考証の行き届きを感じます。乱闘の際は貧しい町民の家屋の壁戸がばりばりと破られたり。市がおたねを避けて街道の脇の小高い藪の中を行くラストシーン。上から小さい彼女を見下ろした画がほんとに‶土の道だけ”で、確かに往時は馬や人が通るだけの、土ぼこりの舞うそこが街道だったのだろうなあとそんなことを思いました。 【tottoko】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-03 23:07:49) |
16.《ネタバレ》 勝新の座頭市で一番良い。その後の出しゃばった座頭市でないのがよい。そして、天知茂。いい役者である。あと、万里さんのセクシー。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-01-29 22:03:48) |
《改行表示》15.初めて座頭市を見る。 まったく期待していなかった分、とても楽しめた。 水戸黄門的なコテコテな時代劇かと思ったら、普通に映画として面白い。 |
14.《ネタバレ》 シリーズ最初の記念碑的映画 勝新の緩急ある芝居はうまい 普段のとぼけた調子から時々でるドスの効いたセリフは中々出せる物じゃないな それだけでもすごい役者だったことがわかる 座頭市が仕込みを抜くシーンは少ないが一瞬で稲妻が走る様な演出は印象的 役者もかなりの修練だ 座頭市が何故、人の気配がわかるのかを思わせる足音や衣擦れの音などがかなりの音量で響くシーンが何度かある これだけ耳がよければ普通の生活は大変だったろうと思わせるほどだ ほとんど超能力の様に気配を感じる盲人座頭市の世界を判りやすく表現したシーンを時々挟むのはうまい演出だ 労咳やみの平手造酒の鬼気迫る芝居の天知茂も抜群だ この先のシリーズが27作も続いたのがわかる傑作である ゴジラシリーズの第一作目と同じ印象を受けた カメラワークやライティングもなかなかいい カメラワークが大魔神に似てると思ったら二作目『大魔神怒る』の監督だった 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-31 00:50:18) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 記念すべき座頭市シリーズの第一作。作品としては一作目ながら実に洗練された出来となっており驚かされます。冒頭の丁半賭博で主人公である座頭市のキャラクターを的確に描き、敵側の用心棒との尊敬と友情の交差、ヒロインであるお胤とのそこはかとないロマンス、緊張感あふれる居合抜き、観客を惹きつける要素をこれ程入れて、特に物語に破綻もなく、上映時間もタイトに仕上げるとは恐れ入ります。非常に優れた脚本と演出力と言えると思います。 役者さんも総じて良く、勝新太郎は勿論、本質的には小心のくせに手下には大物に見せている座頭市側の親分を演じた柳永二郎、座頭市との死合に全てを賭けた用心棒を演じた天知茂は実に素晴らしいパフォーマンスでした。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-18 23:39:47) |
12.《ネタバレ》 最初の丁半博打で一気に引き込まれた。想像以上にイカした作品だった。見事。勝新太郎の演技をしっかり観たのは初めてかもしれない。座頭市の男気が際立っていて、おたねが惚れるのも分かる。万里昌代が美人だった。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-13 19:04:19) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 殺陣のシーンは少ないのですが、それが却ってクライマックスの迫力に繋がっていますね。 敵役の天知茂も良かったです。 やっぱり本家、勝新太郎の座頭市は凄いですし、この作品あってこその他の亜流・座頭市があるんだなと・・・ もし、武・座頭市と勝新・座頭市が鉢合わせしたら、武・座頭市は木陰に逃げ隠れしちゃうんじゃないか・・・ってくらい勝新にはオーラがある感じですね。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-04-13 16:41:56) |
10.《ネタバレ》 座頭市の話も勝つ新太郎も全然知らなかったこともあり、非常に新鮮であった。多くを語らない序盤から、勝新太郎の魅力が全開でぐいぐい惹きつけられる。ストーリー展開も無理なく、要所をしっかり押さえている。続編のことはよく知らないが、座頭市が超人のようになっていくような気がしてしまう。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-12 11:57:27) |
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9.《ネタバレ》 後に続く続編ではまさに超人の域まで達している座頭市であるが、冒頭へっぴり腰で丸太橋を渡る第一作目のこれは全く趣が違う。続編・若しくはリメイク等での彼の振るう剣はまさに爽快感溢れる「正義の鉄槌」(をダーティーたるカツシンが行う所に意味がある)。ところがこの作中の彼の剣には「いじめに対していじめられっ子が突然暴れ出す・反抗」のような陰鬱感がスクリーンから溢れだしているのだ。共に世の中からすね者として扱われている平手造酒との会合。剣を交えて座頭市もまた、自分が斬られてしまいたかったはず。「不知火検校」から続く新しいヒーロー座頭市の誕生(日本の天才俳優・勝新太郎が花開いたきっかけ)、監督三隅そして天知茂の職人的なサポートぶりもさる事ながら個人的には大映映画時代劇を彩った華の一人、万里昌代の代表作として挙げておきたい一本。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-28 17:13:55) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 GyAOの無料放送にて恥ずかしながら初見。きっちり放送禁止用語も切らずに流してくれてちょっと感激。シリーズ1作目ということで殺陣はあっさりしてますがストーリィは飯岡笹川の争いを下敷きにしっかりしてます。そういやモノクロだったんだな。でも迫力あった。これが勝新太郎の原点かと思うとその思い入れで高い評価しちゃうな。これがシリーズになって、その時々のアイドル歌手だの人気俳優やらお笑い芸人やらをゲストで出すようになって、座頭市のキャラも変わり、殺陣も長く派手になっていくんですよね。そしてまたルトガーハウアーや北野武の市につながっていくと…。しかし本作の市はあっさりしていながらもまっすぐで妙にかっこいいです。まあ初っ端のイカサマ丁半のあたりは狡っからいのだけれど。まあやくざでいながらやくざが嫌いってことなのかな。争いが終わって喜ぶ飯岡の親分を叱りつけるところなんかは、なんというか敗戦の影が見えて時代を感じます。それと平手酒造役の天地"非情のライセンス"茂さんは面長だったんですね。眉間の皺もなくて若々しいです。 【ごりちんです】さん [インターネット(字幕)] 8点(2007-01-16 22:32:51) |
7.脚本が後期のようにコテコテしてなくて、見終わった後、風呂上りのようにサッパリした気持ちの良さ。 【amicky】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-20 17:06:16) |
6.満を持して観る事ができた「座頭市」の記念すべき第一作目は、まさに稀代の時代劇ヒーローの真髄に触れる精神に溢れていると思う。心を通じ合った浪人とのラストの死闘は、過酷な運命を背負い歩く座頭市の宿命そのものであろう。後のシリーズ作品等と比べるとややアクションシーンが少ない印象はあるが、三隅研次によるモノクロームの映像美に映える殺陣はやはり圧倒的だ。 【鉄腕麗人】さん 8点(2004-05-05 19:23:00) |
《改行表示》5.市の言葉、行動一つ一つが強気で、見ているこっちがハラハラさせられる。そのせいだろうか、序盤からグイグイ引きこまれ目が離せない。市と平手造酒の会話は穏やかで、後の悲劇的な対決を感じさせられたが、以外にも最良の対決となるのが良かった。やはり座頭市は勝新しかいないと思わせられると同時に↓ぐるぐるさん同様全シリーズ見ることを胸に誓った1本です。 【カズゥー柔術】さん 8点(2004-02-01 04:57:28) |
4.北野武の座頭市を見た後これを見た。こっちの方がいいや。 |
3.行きつけのビデオ屋でDVD版がレンタルされてたんで早速観てみたのですが、いやー面白かった。勝新もいいけど天知茂(この人はずっと「明智小五郎」役しか観たことなかったけど)がカッコ良いです。それに映画自体が凄くきちんと作られているなあ、という印象を持ちました。かつてのプログラムピクチャーに対してなんとなく「大量生産」のイメージを抱いていたんですけど、やっぱしそれはスタッフ・キャストの技術の高さがあって初めて可能だったんだな、と思いました。おーし、この勢いで全シリーズ観るぞー! 【ぐるぐる】さん 8点(2003-12-17 22:33:50) (良:1票) |
2.やっぱり座頭市は勝新ですよ。かっちょよすぎる!!!まさに花があるな。雷蔵も好きだがこれも好きなんだよなー。理由なんかねーよ。 【たましろ】さん 8点(2003-10-25 00:20:01) |
1.ビジュアルだけで本当に格好いい勝負は有り得ない。大事なのは魂。伝説の名勝負。 【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-17 20:51:36) (良:1票) |