19.《ネタバレ》 とても悲しいラブストーリーでした。
片思いは悲しいですが、両思いになっても悲しかったです。
ただ相手を愛することと、そしてその相手から愛されることが素晴らしいことであるということは映画を観ていて伝わりました。
愛に包まれた二人は素晴らしかったです。
この男の片思いはちょっと異常に思えて、一歩間違えばこれは犯罪なんですが、
しかしうまい方向に働いてそれが愛にまでなったのだと思います。
”愛から逃げる男”と”愛を求めた女”はお互いに一方的で相手を思いやることを忘れた者同士だったのかもしれませんが、
一方的だった二人がお互いの足りない点を補い合ってイイ感じの恋人同士になってゆきます。
男は不器用な感じですが女を危険から守り、女は男に人間の心(ハート)を与えた。
作品中にヒヒからもらった動物の心臓の御伽噺があります。
彼の中では漠然とした動物の心(ハート)のままで戸惑っていたものが、
女の胸のハートに触れて男は彼自身のハートの位置を知ることで、
動物の心臓だと思ってた彼の心臓は人間の心へと変化したのだと思います。
この映画では一方的な愛の恐ろしさとしてレイプとストーカー行為が出てきましたがあまりにも動物的で、
「愛」とはその真逆のことであるとでもいってるかのようです。
またもし人間が「愛」というものを心に抱けなければ、それは動物となんら変わらないとでもいわれたかのようで手厳しいです。
僕もまた動物の心臓から人間の心へと生まれ変わりたいです。