19.《ネタバレ》 コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフにして、破壊される前の日常的なハイスクール生活を、飾ることなく、ごく自然に再現し、終盤に起こる銃乱射による破壊と対比させています。銃社会というアメリカ的なテーマを、エンターテインメントを度外視したアメリカらしからぬ手法で描いたところが肝ですかね。3人娘の濃くて顔立ちがはっきりしてる娘がかなりタイプです。あと、写真部の女の子(日系のハーフ?)は、しぐさ、ふるまいに西洋人にはない女らしさ(無意識的につくる”しな”)が魅力的でした。他は大したことなくて、主人公男子に負けてます。まあ、それだけ普通の人を普通に演じてるわけで、すばらしいことなわけで。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-05-29 19:00:25) |
18.《ネタバレ》 青春という時代に、誰もが抱く危うい狂気の世界を独特の映像美で静かに描いた、いかにもガス・ヴァン・サントらしい映画。ずっとこの監督とは感性が合わないなぁと思っていたのだけど、これはちょっと良いかもと思った。美しくも狂気にまみれた秀逸なアート作品。カンヌ映画祭でのパルムドールというのも納得。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-08 21:56:12) |
17.現実的だけど非現実的、退屈だけど退屈じゃない、かっこいいけどかっこよくない、悲しいけれど悲しくない・・・・じつは矛盾であふれている現実をそのまま映画にしたかのようなガス・ヴァン・サントのぎりぎりの感覚が素晴らしい。大人になると美化しがちな学生時代ですが、その多くはたいくつな時間が占めていたことを思い出しました。映画としての楽しさに満ちているような作品ではないですが、「現実」に対して不思議なスタンスで立ち向かう監督の姿勢は、とても重要じゃないかと思うのです。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 16:49:53) |
16.ガスバンサントがやりたいのだろうただ流れる時間の描写がこれは良い塩梅で効果を発して、淡白なのにはっきり緩急付いた良い出来だった。ゆっくり色々その場面について考えながら見られる映画。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-25 00:31:43) |
15.エンドロールが終わっても、しばらく放心。最初に撃たれた男の子が撃たれる瞬間、犯人にカメラを向けたシーンが頭から離れない。 【ヴィン】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-06-22 01:47:49) |
《改行表示》14.生徒役は実際の高校生を使ってて、役名もほとんど本名だし、セリフはほぼ即興。 あんなに痛切な「エリーゼのために」も現場でアレックスが弾いてたのが良かったから採用、という具合にかなりラフな撮影現場だったみたい。しかも意味深なタイトルも同名映画から拝借したものらしい(DVDの特典映像より)。 でも要所要所で監督さんのこだわりが見えます。黄色いTシャツ、赤いトレーナー、青い空、などの色の使い方も好きです。 「観客に色々考えさせる作品にしたかった」ために、あえて”単調で退屈”な映画にした監督さんの意図をくみとれるかどうかがこの映画の評価の分かれ目だと思います。 日本でも同じようなありふれた高校生活(目立たない子を目立つ子がいじめる、というのも含め)で、あんな惨事が起きてしまうっていうのは、やっぱりあんなに簡単に手に入ってしまう銃の問題は相当なものだと思いました。 【69】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 15:47:04) |
13.この映画の素晴らしさは内容ではない。映画はカメラがあってこそ、というのを久々に示してくれたことこそが、この映画の素晴らしさ。役者でも監督でも脚本でも演出でもなく、映画の王様はカメラ。カメラは縁の下の力持ちではなく、カメラこそが映画の主人公。童貞のガキが通販で買った銃で人を何人殺そうが、そんなのは些細なこと。そんな彼の後姿を黙って捉えるカメラにこそ、この映画の物言わぬ真実と本質がある。カメラが回るからこそ銀幕は躍る。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-07 07:18:35) (良:2票) |
《改行表示》12.この映画の見方は沢山あると思いますね、私みたいなバカはどこで終わったのかも分からずエンディングを見続けていたり。。(笑)コロンバイン事件については私は何もしりませんでした、だからこの作品が事件についての初めての作品だったのですごく新鮮でした。 私も何もなくて平凡でそれをどうにかするために刺激のありそうなことをしてみたり、ただボケーっと生きてるだけの毎日・・・生きてる実感もない。なんてことがよくあります。重たい作品って感じはしなかったです、あっと言う間に終わっちゃったって感じでした、また何年後かに観てみたいです。 【愛しのエリザ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-24 19:32:41) |
11.《ネタバレ》 正直この作品が映画として優れているのかどうかはよく分かんないけど(前半はかったるかったし)、ラスト20分はショッキングだったなあ。惨劇をドラマチックに描くのではなく淡々と描いてるのも迫力あったし、“彼ら”の最初の犠牲者になるのが、彼らと同じように周りから馬鹿にされている女の子だったという点も、重い。ところで、少し前日本で十代の凶悪犯罪が続発し「十代の心の闇」なんて言葉がよく聞かれた頃、あるニュース番組で十代の人たちを対象とした「あなたは人を殺したいと思ったことがありますか?」というアンケートの結果が紹介されていた。細かい数字は忘れたのだけれど、確か3割位が「ある」と答えていて、ニュースキャスターが「こんなに多くの人が殺意を・・・!」と驚いていたのだけれど、僕は逆にそのキャスターの反応に驚いてしまった。僕は少なくとも9割位の人が「ある」だろうと思っていたから(だから僕は「日本って思ってたより平和なんだな」と思ってしまった)・・・こんな事を言うとアレかもしれないけれど、僕の十代のある時期、ある瞬間、もし銃が手の届く所にあったなら、ひょっとして、ひょっとしたかもしれない、と思う。僕には、それまで惨めな思いを抱き続けていた“彼ら”が銃を手にした時に感じたであろう「高揚」が、ちょっと想像できる。「これで世界は自分たちのものだ!」という、危険で、おぞましく、しかし甘美な戦慄、絶頂感・・・勿論僕は、彼らの行為を正当化するつもりなんて毛頭ない。ただ・・・もし彼らが手にした武器が「銃」でなかったら、例えば故カート・コバーンがギターを手にし「やあ、こんにちは。どんだけ最低だい?」という「銃弾」を世界に発したように、何か自己表現の手段を手に入れていたら・・・と、思わずにはおれないのです。一部の大人は大騒ぎしてたけど「心の闇」なんて別に驚く物ではないし、突然現代に現れた病でもない(だって「源氏物語」にも、嫉妬心という「心の闇」の力で恋敵を呪い殺す話とか出てくるもん)、誰の心にもある物で(それを意識するかは別として)、消し去ったりする事は出来ない、と思う。でも、それを克服して、自分の中に封じ込めたり、違う形に昇華させる事は、何とか出来ると思うんだよね。ル=グィンの「ゲド戦記」で、主人公ゲドが自分の影と戦いながら、最後には抱きしめ、受け入れたように、ね。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-06 16:21:54) (良:1票) |
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《改行表示》10.《ネタバレ》 最初10分間ぐらいこの映画を半ば眺めるように観てた時の感想ははっきり言って「なんでこの映画がそんな評価高いんだろう?」てなもんでした。なんか普通の生徒が校舎の中を歩いてるシーンとか友達との会話とかそんなのを淡々と見せられてるだけだったので。しかし後になってそれらのシーンは全て来たるべきラストにかける布石だったのだと思い知らされました。前半までのシーンが全て「日常的」だったが故に、それはもうショッキングでした。ある意味『ボウリング・フォー・コロンバイン』よりこっちの方が銃社会に強いメッセージをはらんでるような気がします。だってあんな簡単に通販で銃買えちゃうんですもんねえ・・・。 改めてアメリカって怖いって痛感しました。理由としては、「一般人が銃を持てる。」もうこれだけで充分ではないでしょうか?だって日本ならどんなに学校内での苛めがひどかったって銃は乱射しませんもん。そんなもん誰も持てないし、持とうと思うやつもいないし。 アメリカでは「自衛のために持つんだ」なんて理由で銃を所持するそうですがそれなら日頃から体を鍛えて枕もとには防弾チョッキでも置いとけと思う。家族の分も。いくら「自衛のため」といっても所詮便宜上の理由にしか過ぎず、キレた人間が持てばただの殺人凶器。そのキレた人間を止めるためにまた銃が必要になる。これを悪循環と言わずしてなんと言おう。まあここまで銃が出回ってる今となっては規制も難しいんだろうが。この点だけは自信を持てる。「日本を見習え。」 充分この映画のメッセージは伝わりました。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-01 21:31:47) |
9.同世代の私の目から見るとかなりリアルで衝撃を受けた。なぜ彼らがあのような行動を取ったのかは分からない。だけど、一番辛く苦しかったのは、被害者でもなく、最後には自殺してしまった二人なんじゃないかな。 【アンナ】さん 8点(2005-01-17 22:21:48) |
【k】さん 8点(2005-01-09 15:24:46) |
7.《ネタバレ》 面白かった。同じ瞬間を別の視点で何度も交差するところとか、一人の背中をずっと追っていくシーンも面白かった。犯人のサスペンスがかっていない描写もよかったし、冒頭の空が速いのに音が普通ってのも面白かった。ただ最後の終わりかたがちょっと趣味じゃないけど。事件のことはよく表していると思うし、ニュースや特番なんかに欠けている視点だと思う。 【アランチャ】さん 8点(2004-12-18 00:54:12) |
《改行表示》6.犯行を行った少年2人も亡くなった彼ら彼女らと同じ目線で描かれていて、作者側の事件に対する憎しみは限りなく排除されている。でも当然憎むべきは犯人二人であり、ボーリングフォーコロンバインを観ているのであれば銃社会そのものも憎むことができるだろう。映画の中に怒りをぶつけることができず、てくてく廊下を歩く長い時間の間、とにかくやり場のない怒りを感じていた。映画的盛上げも時間構成をいじくっているだけであるが、それがなんとも巧妙で、現実を繰り返し冷たく見つめる。もしこの編集がなかったらたんなる残酷な冗長映画だっただろう。 観ていてなんとも気持ちの悪い映画だった。 |
5.延々と長回しのカメラとともに登場人物の後を追っていくうちにすっかりスクリーンの中に放り込まれた。登場人物のセリフからはなかなか物語の主軸に繋がるものが見えてこないが、少しづつ悪夢を予感させる断片が形となってくる。恐怖と言う意味では今まで見たどんなホラー映画よりも恐ろしかった。しかし製作者の主張を徹底して排除した映像は賛否両論だろうというのはわかる。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-12-11 23:05:43) |
4.結末を知っているからなのか、そうでなくても同じ感覚を味わえたのか、それは判らない。が、とにかく80分間、終始緊張状態でスクリーンを見続けた。映像作家を自負している人間なら、1度は撮ってみたい映画なのだと思う。M・ムーア作品の中で卒業生(サウスパークの作者だったと思う)が言っていた「うんざりするほど普通の町にある普通の学校」というような言葉が、とてつもない真実味を帯びてこちらに迫ってきた。価値観のベクトルがほぼ同方向を示しているような場所は、ある種の人間には生きづらいということも痛いほど伝わってきた。もちろん、殺人を犯す言い訳になどなるはずはないが。カメラ好きの男子高生、ダサい女子高生、勇気ある黒人青年、そして共犯の少年......。彼らのあっけない死に、言い様のない無力感を感じるラストだった。 【showrio】さん 8点(2004-08-11 13:19:49) |
3.娯楽要素ゼロの映画。これはいわば映画と言うよりは長い再現VTRといったほうが適切。笑い所も泣き所もナイ。あたかも数年前に起きたあの悲劇の日にタイムスリップしたかのよう。カメラはただただそれぞれの1日を色々な角度から映し出す。いつもと同じ何気ない1日なのにあの事件が起きた日もただひたすら空は綺麗で、そこだけ何も変わらなくて、残酷で。今まで見た中で一番個性的で貴重な映画。 【未歩】さん 8点(2004-07-29 21:24:39) |
2.地上で何が起こっているかなんてお構いなく、同じように青さを保っている空が印象的で美しかった。少年が本当に欲しかったものは非日常的な銃撃殺人ではなく、あの空のようなものだったのではないかと、最後になって思った。 【揺香】さん 8点(2004-07-08 11:07:56) |
1.見た後で結構考えさせられる映画でした。犯人の2人の少年以外も色々問題を抱えている人ばかりで、犯行に及ぶ原因は様々なところにあると思いました。犯人も大勢殺すつもりなのに、実行する前に1人に忠告したり、やる直前が長かったり、それでいてあの冷凍室のラストにつながるのは、いかにも心理状況の変化の大きさを物語っていてリアルでした。最後に、タランティーノ風の時間と空間の交錯した演出は、登場人物の運命のすれ違いを示しているようでとても気に入りました。 【マイカルシネマ】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-03-31 21:30:06) |