《改行表示》14.《ネタバレ》 TV録画を字幕で見ました。昔の映画なので状況を理解させるための風景描写が長い&そしてそこに差し込まれる音楽がちょっとウザい感じはありました。しかし正しくスペクタクル巨編の名に恥じない壮大な大河ドラマに仕上がっていて雄大な景色、CGではない本物の馬や人間のぶつかり合いは心底素晴らしかったです。キューブリック色は弱く、これなら他の戦争娯楽作品などを得意とする監督に任せても良かったのでは?とほんの少し思ってしまいました。(大脱走の監督とか) スパルタカス扮するカーク・ダグラスがちょっとオッサン過ぎて萎えますが、ローレンス・オリヴィエを筆頭に全体的にキャストも豪華で、流し見しても大作然としているのは明らか。できればもう少しローマ陣営のうんちくや駆け引きなどのドラマが見たかったのですが、そうなると剣闘士の話じゃなくなっちゃうので仕方がないでしょうか。あと気になったのが、スパルタカスのカリスマ性がいまいちウマく表現されていない点は残念でした。涙涙なハズのラストファイトもかなりアッサリしていて、その理由はやはり彼らの関係性が上手く描けていないのが原因でしょう。ロマンスをもう少し減らして彼の強さや仲間との絆に焦点を当てたほうが良かったのかもねと、素人ながらに思ったり思わなかったり。(でもそうなると彼の愛を知る優しい側面は薄れそうですが) 反乱まではテンポよく進みますが、その後は若干話が停滞します。上映時間を知っているだけにまだ一時間しか経っていないのかと中だるみ感がありますが、眠たいロマンスを抜けローマ軍を迎え撃つあたりから急に話が面白くなってきます。インターミッションを挟んでラストまで一気に見せ切る流れは結末も含めて胸アツ。 私の中で似た作品といえばリドリー・スコット×ラッセル・クロウの「グラディエーター(2000)」です。40年も後に作られた新しい作品と比較しても無意味なのかもしれませんが、やはり「グラディエーター(2000)」の方が完成度が高く没入感は深めでした。(まあ当たり前か)でもしかしながら、剣闘士の物語としては本作のほうが圧倒的に深みがあり、ラストも余韻を残す非常に素晴らしい仕上りでした。総合的に見てどちらか選ぶとしたらやはり本作。これは名作です。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 8点(2023-08-01 15:27:28) (良:1票) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 -Spartacus- 人名。確か中学生くらいにのときにテレビのロードショー(前後編)で観ました。大規模な行軍や戦闘が素晴らしく、スケールの大きい歴史大作として印象に残ってます。 ホント久しぶりの鑑賞。オープニングの「奴隷制度の崩壊が現実となる2000年前だ」ってところが凄い。確かに歴史を俯瞰してみるとそうなるか。 そしてスパルタカスの反乱のキッカケとなったのが、対戦相手で黒人のドラバによる命を懸けた抵抗だったこと。勝算なんて無いのに貴族席に矛を投げ襲い掛かった。この勇気がスパルタカスら奴隷たちに伝わり、大規模な反乱となっていく。 でも、中学生当時は反乱軍とローマ軍のどっちが勝つかハラハラしてたけど、最初から勝つのは無理な反乱だったんだな。 キャンプを張る反乱軍の丘を馬に乗ったスパルタカスが悠々と歩くところが好き。訓練するもの、食事の支度や子供を風呂に入れたり。奴隷で一生を終えるハズだった人たちが、あの場所で自由に生きているところ。それぞれが好き勝手に生きるのではなく、勝ち取った自由だからこそ、みんなの食事を作り、戦いに備えて訓練する。海の先への脱出が最終目標だったにせよ、あの丘の場面こそがスパルタカスたちが勝ち取った自由だったように思う。だから最後、勝てないのは解っていても、自由のためにみんな戦ったんだろう。みんながスパルタカスを名乗って立ち上がるシーンは覚えてたけど、今回観ても涙が出た。 最後のグラッカスのしっぺ返し。バリニアとの再会は覚えてなくて、トドメのボロ泣きしてしまった。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 8点(2022-10-01 23:30:40) (良:1票) |
《改行表示》12.戦闘や移動などのシーンが実に美しい。 ローマ兵の衣装をつけ馬による疾走、奴隷たちのひたむきな歩く姿など、ほーっと見惚れました。 美術館で絵画鑑賞をしているよう。 思い出しても広がりのある絵が浮かびます。 スパルタカスについては無知でしたので、第三次奴隷戦争の勉強になりました。 ヨーロッパでそんなことがあったのですね。 スパルタカス役のカークさんが実に楽しそうに演じてるのが良い。 俊敏な動きや馬でのアクションには舌を巻きました。 【たんぽぽ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2020-06-09 18:19:12) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 なかなか面白い。なにが面白いって、最初はスパルタカスによる「奴隷の反乱」を描いていたのに、だんだんとローマでの勢力争いに比重が移っていき、終わってみれば、結局そっちの方がメインだったんじゃないかと思えてくるところ。奴隷による反乱という、ローマ帝国の根底を揺るがしかねない事態でさえ、政権を握ることに利用してしまうというしたたかさ、あるいは狡猾さ。最後にバリニアとその子どもは自由の身になったように見えますが、それもクラサスに一矢を報いようとするグラッカスの思惑があってこそで、結局ローマの高官の意志ひとつでどうにでもなるという点では、自由の身からはほど遠いと思わざるをえません。こうした政治劇を描いたシナリオが、現実の政治に目配せしていることは想像に難くありません。もっとも、私はそこまで深く詮索しようとは思いませんが。単なるアクション史劇としてもそれなりに見栄えがありますが、政治劇としても見どころのある、「ひとつぶで二度おいしい(?)」作でした。であればこそ、長時間も気にならないというものです。 ただひとつ、アレックス・ノースの音楽が妙に軽くて重厚さに欠けるようなところが気になりました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-03-16 19:56:57) |
10.《ネタバレ》 コロシアムでの格闘、ローマ軍とスパルタカス反乱軍の戦闘シーンは圧巻。ラストは、無念さと希望とを与えてくれる。ただ、長く途中にだれる。150分ぐらいになればと思う。 【竜ヶ沢中段】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-03-25 22:51:14) |
9.《ネタバレ》 キューブリック最後の雇われ監督ですが、本作はもう製作も兼ねたC・ダグラスと脚本のD・トランボの映画だと思います。ダグラスやT・カーチスといったユダヤ系俳優たちで奴隷軍団のキャストを固め、対するローマ帝国側エスタブリッシュメントにはL・オリビエ、C・ロートン、P・ユスチノフという英国名優をそろえるところなどホント憎いですねー。スパルタクスの反乱と挫折が、迫害されてきたユダヤ人の歴史のメタファーになっている気がしてなりません。ちなみに公開当時は、米国の右派勢力からは共産主義革命のメタファーだと解釈されて、全米で公開反対運動がおこったそうです(D・トランボの脚本の真意だったかもしれませんね)。そう言えば当時のアメリカはまだ人種差別政策が厳しかった頃ですし、「奴隷の反乱」というテーマも耳が痛いところがありそうです。 もっともそういうことには無関心なキューブリックが関与してるはずもなく、トランボのヒューマニズムあふれる脚本に沿って淡々と演出したみたいです(よっぽど嫌だったらしく、本作をフィルモグラフィから外してくれ、とまで生前言っていたそうです)。 今回見直してみて感じたのは、例の英国三名優が見せてくれる演技の素晴らしさでした。面白いことに劇中三人が同時に絡むシークエンスがなく二人ずつのシーンばかりなのですが、ロートンの演じるグラッカス元老議員がもっとも心に残る人物だったかな。政治はそりゃ古代から汚いものだったみたいですが、たとえ政治手法に問題があっても最期は主義主張を貫くグラッカスを、どこかの東洋の国の政治家も見習わないといかんですよ。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-13 00:10:45) (良:2票) |
8.歴史上の出来事をなぞっている以上仕方ないにしても、やはりあの結末は悲しいものです。奴隷とは何かを考えさせられました。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-11 23:49:19) |
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7.なにも期待せずに見たけど面白かった。こんな人が実際存在したって考えるとスゴい。やっぱり頭のきれる人はいつの時代でも人望があって自然とその人の周りに付いてくる人が集まるもんなんですね。この時代のこういう映画を見るといつも思うのだが、私はこの時代に産まれなくてよかったなあ、ということ。奴隷に産まれて人間としての扱いを受けれない時代になんか生きたくない。女性も男性に邪険に扱われただろうし…。色々と歴史のことを考えられる映画でした。 【あしたかこ】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-01-13 05:06:53) |
6.長いのに飽きずに楽しめました。ラストは哀しいですね。 【しまうまん】さん 8点(2004-06-12 12:21:29) |
5. キューブリック監督が肩の力を抜いて撮った作品のように感じます。他のキューブリック作品と比べてもいまいち魅力を感じませんでした。でもカーク・ダグラスとローレンス・オリビエは、良かった。 【呂布】さん 8点(2003-05-27 16:51:22) |
【RS】さん 8点(2003-03-13 03:30:31) |
3.ハリウッド製史劇映画を語るときに外せないほど有名な作品だ。キューブリック監督ということだが、実際に観てみると・・・、らしくない。カークダグラス演ずるスパルタカスも、当時としては“はまり役”だったのかも知れないが、「グラディエーター」のラッセルクロウを観てしまった後では、「ん?」という感じがしないでもない。オールバックのヘアスタイルがいかにも50年代アメリカ的だからだろうか。剣闘シーンはといえば1回だけしかなく意外なほどあっさりしたものだったし、もっと緊迫感があってもよかったと感じた。ところがである。後半の反乱シーンあたりから一気に緊迫感が与えられ、映画にも凄みが増してくる。イタリア南部の丘陵地帯を埋め尽くすほどのエキストラを使った反乱軍の移動シーンやローマ軍の戦闘隊形などは空前絶後。「ブレイブハート」を撮ったメルギブスンが「スパルタカス」の戦闘シーンを参考にしたというのもうなずける。が、実際の戦闘シーンはというと、やはりよく研究しただけあって「ブレイブハート」の方が一枚上手といった感があるのは確か。バックで流れる音楽が妙に古臭いのがいけなかったかなあ・・・。しかし、そんなことよりも、負け戦で生き残った仲間たちがスパルタカスをかばおうとして「私がスパルタカスだ」と立ち上がるシーンや、最後のアッピア街道沿いに並んだ6千名もの十字架のシーンには胸が打たれてしまった。やはり名作だと思う。 【ヨアキム】さん 8点(2002-03-26 08:03:39) |
2.50年代から60年代にかけて次々と作られたハリウッド超大作の一つ。「十戒」と「ベン・ハー」を別格とすると,「クォ・バディス」「ローマ帝国の滅亡」「ポンペイ最後の日」「アンソニーとクレオパトラ」「エル・シド」「キング・オブ・キングス」等と並ぶ代表作と言えよう。そして,チャールトン・ヘストンとこのカーク・ダグラスが2大スターとでも言うべきなのか。とにかく,ダグラスのパワーに圧倒された。がむしゃらに生き,ハチャメチャに戦い,そして死んでいく,という凄まじさに只々脱帽といったところか。今時,重厚にしてこれ程の存在感を示す俳優って居ないよな・・・・・。やっばり息子の比じゃないよな・・・。 【koshi】さん 8点(2001-11-16 21:18:24) (良:1票) |
1.ベン・ハーやクレオパトラと並ぶ歴史物超大作だが、とにかくやたらと金とエキストラを使いまくっており(今の時代では絶対CG使わないと映像化できないだろう)、特に奴隷軍とローマ軍の戦闘シーンはただただ圧巻。しかし、主演のカーク・ダグラスにイマイチ魅力を感じられなかったり、監督があのキューブリックであるということを意識し過ぎたせいか、個人的には正直あまりのめり込めなかった。聞くところによると、本作の撮影に際してキューブリックは作品のコントロールをまったく行うことができず、出来そのものにも相当な不満を持っていたらしく、実際、作風があまりにハリウッド然としており、本作以外の諸作品と比べるとどうしたってその作家性の希薄さは否めないだろう。同じく歴史物ならバリー・リンドンの方がずっと好きだな。 【ダイ】さん 8点(2001-08-04 02:31:46) |