14.子供の為のアニメ映画じゃ無いわな。なんつーか、このアイロニーを嗅ぎ別けることが出来ないと、単純にお説教だと感じてしまうものなぁ。各氏の様な批評を浴びることを、百も承知で創ったんでしょう。不可逆で重いテーマと、勝手なヒューマニズムの板挟みを自ら感じながら、その矛盾を捨てずに描いた高畑氏の勇気は素晴らしいと思う。舞台は、高畑・宮崎の両氏が若き日に通い詰めた会社の在る場所。開発の一部始終を眺め、様々な葛藤や疑問を抱え、一介のサラリーマンでしかない無力な自分を、不甲斐無くも思ったでしょうなぁ。ラスト近くの「僕たちの森を返せ!」と言う叫びは、本気で切なかった。最後は幸せいっぱい夢いっぱい、且つグダグダ、のジブリ一連の作品よりも、優れていると思う。 【ぽろぽろ】さん 8点(2003-06-28 05:15:01) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 ここでの評価はあまり高くないようですが、すばらしく切ない良作だと思います。メッセージが強すぎるのが毛嫌いされる原因なのでしょうか。 のんきで食いしん坊でお祭り好きで熱しやすく冷めやすい、そんなタヌキたちだからこそギリギリのところでエンターテイメントに仕上がっているのですが、内容としては救いようのない、絶望的な物語ですね。ラストも一応決着はついていますが根本的にタヌキが救われたとは言いがたいですし。 だって、タヌキが化け学を駆使して工事現場のトラックを見事にクラッシュ!見ている方が「やったぁ!!」と喜んだら、次のシーンではニュースで『工事現場で死亡事故』ですよ。シニカルすぎる。大人向けなのかもしれません。 「双子の星作戦(でしたっけ?)」で、老人が「ザシキワラシじゃ~!!」と震えて平伏すシーン。あれが自然に対する、本来の日本人の姿だったのでしょう。それと対照的なのが「妖怪大作戦(でしたっけ?)」でオバケを見た若い夫婦や子どもたちが喜ぶシーン。 この辺のメッセージも、現代っ子には感じ取ってほしいです(・・・って、俺も現代っ子ですが)。 「ウキウキドキドキワクワク」だけをジブリにもとめてはいけません。 【またたび】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-03-22 22:38:24) (良:1票) |
12.- [x] この作品は多摩丘陵のお話ですがタヌキは結構適応力があって東京二十三区内どころか山手線の中でも皇居、新宿御苑、明治神宮、護国寺、増上寺などタヌキがいそうな場所を多く思い浮かべることができます。ぞのタヌキたちがどうやって食べているかというとやはり夜な夜な森林地域から出てレストランの残飯を漁ったり残飯を漁るネズミを捕食したりして結構栄養バランスの良い食生活を送っているのではないかと思われます。ただキツネと違って脅かされると気絶したりマヌケな仕草や生態があるらしくそれだけ親しみを感じさせます。作品中のタヌキたちは人間のように直立して環境保全の策を練っている時にはイラストが巧みな人が一筆書きで描くような単純な線でユーモラスに描かれていますが、四国のタヌキたちが戦列に加わってから一目で水木しげるさんの筆だとわかるゴージャスと言いたいほどの精緻な化け物や妖怪がオンパレードで、もしも東京に生息しているタヌキたちが訳が分かって水木しげるさんのイラストを見たらさぞ面映いことだろうと思います。タヌキによる環境保全という主張はありますがタヌキの方がキツネよりもずっと適応力があるのではないかと思わせ、わたしたちをある意味なごませてくれると思います。 【かわまり】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-04-12 08:55:55) |
11.数年前の朝、近所でタヌキを見かけました。今でも元気に生きてるのだろうか? まだ近所にオバケが出たという話は聞いていませんが・・・。志ん朝師匠の語りにのって、ウソともホントともつかぬ(そりゃウソでしょうけど)エピソードの羅列が、緻密なアニメーションの描写によって綴られていく。まさに他では観られないような光景の数々、はっきり言ってブッ飛び過ぎ。どういう発想でこういう作品になるんでしょうか。そもそも、思いっきり昭和のオハナシなのに平成狸合戦。自由だなあ。 滅びゆく者たちが最後に花開かせる、壮大な祭り。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 8点(2013-11-28 23:24:53) |
10.《ネタバレ》 タヌキが人を化かしてトラックを突き落とした時、それまでのギャグ調に見合わない行動に混乱した。明るい映画なんだからケガしたぐらいで済むだろうと思ったらすぐに3人死亡のニュースがでてさらに驚いた。その時「あ、これ結構ヘビーな内容なんだ…」と気づかされた。あらすじを起こしてみれば分かるが相当な悲劇だ。人も殺すしタヌキはバンバン死ぬ。結局開発はとめられない。一部のタヌキは現実逃避し、一部のタヌキはカミカゼとなり玉砕する。化けられないタヌキを見捨てるかどうか選択もせまられる。こんな内容でも映画を実際に見ると全く印象が違う。自然保護のテーマを前に出しすぎて説教くさいとの感想も多いが、私は相当シニカルに描いていると思う。もし人を殺した時タヌキが熱く命の尊さを説いたり、仲間のタヌキが死んだ時の悲しみや開発を止められない絶望をシリアスに描いてしまったら、それこそ薄っぺらい説教話になっていただろう。タヌキの滑稽さと終始おちゃらけた作風が、逆に悲劇をより一層引き立てている。過酷な目にあっても笑って踊る彼らを観て、ウジウジしてないで生きなきゃいけないなという活力を貰える映画である。 【sinbo】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-04 00:17:36) |
9.《ネタバレ》 ジブリの中では結構好きな作品です。 テーマがわかり易く絵もどぎつくなくて、小さな子どもから年配の方までOKなアニメだと思います。 確かに教育チャンネルの様な説教臭さが見られるかも知れませんが……。 前編通してブレの無い淡々としたナレーションと、根底に流れるブラックでクールな内容。 何とも言えないノスタルジックな切なさもあいまって現代の寓話とも取れる作品ではないでしょうか。 百鬼夜行のシーン(と、それが終わった後の余韻)はとても素晴らしくて何度でも見たくなります。 【マック】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-10-31 11:29:10) |
8.《ネタバレ》 点数低いですね~。私は実は好きなんです。素直に人間の文明の成長は弱いもの(人間以外の地球上の生き物)の犠牲、また、人にとって大切なものを捨てる事によって成り立っているのだと改めて考えさせられた映画です。妖怪の大行進・終盤に現代から過去の水田が広がる緑溢れる風景に変わっていくシーン等をワクワクし、懐かしくもあり、とても美しく感じました。しかし、この映画によってそういった気持ちをずっと忘れていたことにも気づかされました。かといって文明を捨てることも出来ず文明の発展の恩恵にどっぷりと浸ることしか出来ない現実。うーん 【アップルマーク】さん [地上波(邦画)] 8点(2006-12-24 08:48:41) |
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7.けっこう評価低いんですね。ジブリ作品が1万以上の作品の中でワーストにランクインするとは…。1回目見たときはカタルシスもなく、「なんだかな~」という感想でしたが、しばらくしてから見直すと、追い詰められてく狸の悲哀が実に良く描かれていると感じました。 狸のタッチがいろいろ変化するので、とっつきにくさがあるかもしれません。でも、何度か観るうちに製作サイドの意図がわかると思いますよ。 結構健闘してると思うけどな。 【承太郎】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-11-05 01:13:27) |
6.実は大好きです、これ。毎年秋になるとつい観てしまいます。ただし、声優陣にはかなり不満あり。なんでタレントをこんなに大勢起用したんだろう(福澤アナなんて悪ふざけもいいところ)。でも話自体はとても面白かったし、文太が泣き崩れるところなんてちょっとグッときました。 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2005-10-30 01:01:49) |
5.小学校の低学年でした。その頃は問題の程度がちゃんとわかってなかったから、印象が薄いままここまできましてけど、今見るとけっこうシビアな題材でしたね。でもタヌキに裏表の姿(どっちが表だかわからないですけどw)があるとか、そういった設定はとても楽しげですよね。ストーリーもいろんなキャラがそれぞれ個性持ってて、深く練りこまれた作品だとおもいます。 それに加えて声優陣も違和感なくマッチしてたし、語りの古今亭志ん朝さんも聞いてて気持ちいいぃぃぃぃ。一貫して和のテイストだったので、落語調語りはその象徴と言ったところでしょう。まぁでも、それも今の人にはウケないんでしょうかねぇ。悲しいです。 説教にも聞こえなかったですけど・・・・というか、叩かれ覚悟。叩かれても伝えたかった、そのためには、いろんな工夫をして楽しんで観てもらおうと。監督にはその権利があるんだ!!! と僕は考える。 【やいのやいの】さん 8点(2004-08-28 18:42:34) |
【ゲソ】さん 8点(2004-06-10 04:04:45) |
3.はじめて見た時はつまらんなぁと思ったけど、後で見返して見ると何であの時つまらんと思ったんだろうか、と思った。自分たちの住むところを人間から奪い返そうと奮闘して、しかしいつもそれが空回りして…というタヌキたちに愛着が湧いた。ジブリ作品の中では一番好きな作品。最後のメッセージにも心を動かされた。 |
2.この映画は、タヌキたちが化けるところが良いのです。初めて観たとき目からウロコが落ちました。「あ、ホントに化けるんだ、タヌキって」と(笑)。しかもタヌキたちは、その変身術で人間に戦いを挑むのです。最高です。環境問題への主張ももちろんあるだろうけど、彼らが戦ったのは自分たちの住処を守るためで、人間が地球を乗っ取りにきた宇宙人と戦うのと大差ないと思う。誇りと意地をかけて戦争!ってノリは左翼っぽいですが…それで完敗して、世間に折り合いつけて生きているってノリも、学生運動とか団塊の世代を彷彿とさせますが…。すみません、なんだか失礼な感想かも。でも、もし監督の中にそういう痛みというか、傷のようなものがあるんだとしたら、この映画はそれをシニカルに笑い飛ばそうとしてる気もします。世代限定「癒し系」映画? いつだったかテレビでこれをやってたのを観て、そんなふうに思いました。 【三尾】さん 8点(2003-01-24 01:58:08) |
1.面白かった!!変に同情を誘うわけでもなくてすごく良かった。人間って何にも考えてないんだなと思った。狸たちの変身が楽しい。 【うらわっこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2002-04-02 10:59:23) |