1.19世紀の帝政ロシアの時代、青年士官と年上のアメリカ人女性とのはかない恋を描いたもの。一見、堅苦しそうで長尺ということもあって敬遠されそうだが、冒頭から実にコミカルかつユーモラスな話の流れについつい引き込まれ、ニキータ・ミハルコフ監督の演出は快調そのもの。さまざまなエピソードの積み重ねも手堅く、スケール豊かにそして情感たっぷりとまとめあげられていく。さらに主人公2人と脇を固める登場人物たちが、それぞれ魅力たっぷりに描きわけられていく。ただ終盤ばたばたと急ぎ足みたいな展開で、主人公の2人の心の機微がいまひとつ伝わってこなかったのが惜しい。