南の島に雪が降る(1961)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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南の島に雪が降る(1961)

[ミナミノシマニユキガフル]
1961年上映時間:103分
平均点:7.50 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(1961-09-29)
ドラマ戦争もの実話もの小説の映画化
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タイトル情報更新(2021-05-04)【イニシャルK】さん
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監督久松静児
キャスト加東大介(男優)加藤軍曹
伴淳三郎(男優)鳶山一等兵
有島一郎(男優)篠崎曹長
西村晃(男優)前田一等兵
渥美清(男優)青田上等兵
桂小金治(男優)大沼一等兵
志村喬(男優)浅川中将
三橋達也(男優)小林少佐
森繁久彌(男優)森大尉
三木のり平(男優)二木上等兵
フランキー堺(男優)坂田伍長
小林桂樹(男優)小林伍長
どんぐり三太(男優)坂本一等兵
細川俊夫〔男優・1916年生〕(男優)杉山大尉
加藤春哉(男優)斉木兵長
織田政雄(男優)村田大尉
佐原健二(男優)北川上等兵
松本朝夫(男優)
天津敏(男優)
原作加東大介
脚本笠原良三
音楽広瀬健次郎
製作佐藤一郎
東京映画
配給東宝
美術小島基司
編集南とめ(ネガ編集)
録音西尾昇(録音)(整音)
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5.《ネタバレ》 これは本当に悲しくも切ない話だ!まず何よりもこれが実話というのがとにかく泣ける。日本映画の歴史において偉大なる多くの監督さん、黒澤明に小津安二郎、成瀬巳喜男に溝口健二、岡本喜八に川島雄三に増村保造、マキノ雅弘に豊田四郎、稲垣浩に小林正樹に鈴木英夫に内田吐夢に今井正に市川崑、吉村公三郎に伊藤大輔、山中貞雄にそして、この映画の監督さんである久松静児といった名前を挙げればそれだけでこの俳優の凄さが解る加東大介という偉大なる名役者、それもほとんど脇役としてどの作品でも存在感抜群の演技と人間的魅力で日本映画ファン、それも昔の日本映画ファンの多くの方にこの人、無くして日本映画は語れないと思わせるだけの魅力的なこの加東大介という俳優の戦争の体験、実体験の元に作られた作品であるからしてのこのリアリティーの凄さ、他にもこの映画のキャストに眼を向ければ伴淳三郎に三木のり平にフランキー堺に渥美清に森繁久彌という何たる名喜劇俳優勢揃い、今時、これだけの凄い喜劇役者など絶対に揃えるのは不可能である。そのぐらいの顔ぶれである。これだけの名喜劇役者達が演じるからこそ余計に伝わるものがこの映画にはある。そんな凄い凄い名喜劇役者達と一緒に志村喬に西村晃など名前を挙げたらきりがないぐらいの素晴らしい俳優達の共演!フランキー堺のあのピアニストの何とも言えない無常感、悲しみがこの映画を物語っている。いずれせよ、喜劇と悲劇は紙一重、喜劇役者たるもの、名喜劇役者=言葉のトーンと背中で泣かせることの出来るというのが私なりの考えであり、それを全て見せているこの素晴らしき名役者の名演技あればこその作品であることだけは間違いなし!
青観さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-15 22:00:45)(良:1票)
4.《ネタバレ》 加東大介が戦地での自らの体験をもとに書いた小説を自身の主演で映画化した作品。脚本や監督が「社長シリーズ」や「駅前シリーズ」の面々なこともあってか、さほど重くもならず、明るい雰囲気で見ることができた。伴淳三郎やフランキー堺、森繁久弥に渥美清まで出ていて彼ら一時代を築いた喜劇俳優たちの贅沢な共演も見どころで、ピアノを弾くフランキー堺はさすがにうまく、舞台上で子守唄をうたう森繁も実に良いが、伴淳が夜中に一人で練習に励む姿がとても印象的である。舞台の衣装や照明、背景の水車や桜を見て内地を思い出す兵隊たち、たぶん実際もこんな感じだったんだろうなあとつい思ってしまった。ラストも感動的。これだけ喜劇色の強い俳優たちを起用しながらただの喜劇に終わらず深く考えさせる映画になっているのは実話、しかも当事者が出ているからかもしれないが、当時の映画人たちの意気込みが感じられる。あまり知られてないみたいな映画だが、これは隠れた名作だと思う。95年にリメイク版が作られたらしいが、そちらはどうなのだろう。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-05 02:38:24)(良:1票)
3.フランキー堺のこわばった右手のアップ。その甲についた黒い傷痕。思うようには動かないその手の表情に胸がつまる。
それでも尚且つ一心にピアノを奏でるフランキーの横顔と正確な運指、そしてそれに見入る演芸分隊員たちの表情が1ショットに収められる。
縦構図の奥で、まるで『ハタリ』のジョン・ウェインのような母性的穏やかさで加東大介がその演奏を静かに見守っている。
観客席後方の位置から捉えたクライマックスの雪のシーンと共に、映画の中でも特に素晴らしい場面だ。

役者本人による運指を明示することで、具体的なアクションとしての演芸が情を伴い、迫ってくる。

兵士たちは偽物の「桜」、「柿」、「鬘」に感激し、作り物の「雪」に静まり返り、涙を流す。
実物ではない、人の手による事物イメージの所産ゆえにより一層彼らの郷愁をそそるのではないだろうか。

映画は逆に、喜劇俳優が兵士に扮し、入道雲や、ヤシの木や、海岸の夕景といった美術的虚構と類似を駆使してニューギニア・マノクワリ前線基地を再現し、映画の観客はその風物のイメージに現地を想う。

現実ではなく虚構が、本物ではなく偽物が、迫真を超えた「芸術」として見るものの心をうつ。

まさに、映画を連想させずにおかない。
ユーカラさん [ビデオ(邦画)] 8点(2011-09-28 22:12:41)
2.《ネタバレ》 まだ小学生の頃にテレビで観たのが初見。そのとき、子供心にも訴えてくるものを感じて記憶に残っていたタイトルです。改めて観ると、これは紛れもない名作だと思いました。まず出演者のスペックが凄い。芸達者が揃っていて兵士たちを惹きつける芝居にも説得力がありました。でも本作の意義は、これが加東大介の体験に基づく実話だということ。大人になった自分の目には、南太平洋の戦地にまで来て演芸でしか戦いを支援できない彼らの虚しさのようなものを感じました。あの戦線は大本営の無策・愚策の果てに多くの将兵を餓死(戦死ではなく餓死)させたところです。それを知らないと観賞視点がずれる。米軍の主な作戦行動が本土寄りに移行した後に取り残された陣地で、観劇に訪れる部隊の兵士たちに悲愴感と諦観が見て取れる。あれは「もらった元気で米軍をやっつける」ではなく、「(死ぬ前に)良いものを観させてもらった」という表情です。自分たちの戦闘がすでに戦局を左右するようなもので無いことを自覚したうえでの出陣は、後の特攻に繋がって行くような情景なのだと思います。それに不満不平を言わない兵士たちの心情が忍ばれる。戦闘シーン無しで戦場を描き、その戦場のリアルを浮き彫りにした作品です。加東大介のナレーションで語られる戦況の概容は軍令部に対する恨み言などは一切無くて潔いのだけど、演芸部隊がいたニューギニア以東の兵士たちのほとんどが愚かな作戦のために死んで行ったことを意識して観る映画だと思いました。
アンドレ・タカシさん [地上波(邦画)] 8点(2010-08-09 21:46:00)
1.いささか個人芸の競演大会の様相を呈しているが、さすがにどの役者の名人芸にも感服し、唸らされるばかりだ。特に深夜に自らを叱咤しながら練習する伴淳と五木の子守唄をしみじみ聞かせるは森繁は堪らない。積年の賜物芸というか今のテレビ芸人など足元にも及ばない力の差を見た気がする。舞台の雪景色を見て内地を想い涙を流す兵隊たちの顔が実に悲しい。部隊によって待遇に雲泥の差があり、かなり裕福な演芸部隊と戦死と発表されたらたとえ生き残りがいても訂正されないという瀕死の部隊との対比で戦争の残酷な部分をしっかり描いて見せている。「リアル、リアリティ」と敵国語の台詞が気になったが、忘れてはいけない日本映画の一作に間違いない。
WEB職人さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 11:24:03)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 7.50点
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100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6112.50%
7225.00%
8562.50%
900.00%
1000.00%

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