6.《ネタバレ》 私はとても面白かった。 大きな声で言いたくけど楽しく拝見しましたよ。 絶対に人には勧めないけど、稀有な作品だと思います(笑)
主人公のジャンの孤独と純粋さ。ダスティン・ホフマンの滑稽さ。アラン・リックマンの溺愛ぶり。キャストもはまり役だったと思います。
でも本当にグロテスク、エロティック、フェティシズム全開なので、苦手な人には苦痛でしょうね。
私はグロが苦手なので序盤の魚市場ちょっとキツカッタ。
この主人公、きっと卑劣なわけでも変態なわけでもないのでしょうね。
彼は愛も正義も秩序も知らず、ただ嗅覚だけが全てだった……
母も家も何も無く生まれた悪臭の極みの魚市場で生まれ、
此の世の全てが手に入る香水を手にして、そこに戻る主人公。
彼は究極の香りを作ればその空虚な心を満たせると思っていた。
体臭も無い(=価値も個性も無い)自分が生きたと言う印を残せると思っていた。
そう考えるとあのラスト、実に哀しく暗示的。
文字通り、本当に彼は何も残らなかったなんて……。
それにしてもこの監督、
よくもまあエキストラにあんなことさせられましたね。
ちょっと驚いたよわたしは。
そうそう、この映画公式スチールに多用されている写真には、カメラマンが処刑場でジャンを激写してる姿が写ってるのであります。
公式サイトでも確認できるので、興味ある人は見てみよう(笑)