9.《ネタバレ》 期待してなかったけど、面白いと思います。以下ネタバレ注意です。
ゲオでオススメ品だったので借りてみました。
最初に登場の案内人のキャラでドン引きして、見るのやめようか迷いました。
お話は、ファンタジーですが、扱っているエピソードは、実の親の不倫に、
気になる異性の援助交際等、中学生には重い現実で暗いムードが続く。
でも、その現実にもまれながらも成長して人生の意義を見出していく前向きな
展開と、ベタだけど芯の通ったテーマがあるのは原作が良いという証かな。
自分を第三者の視点から、客観的に冷静に分析するのはそう簡単ではない。
その環境を完璧にお膳立てするために、ファンタジーを利用したお話。
実に面白い。記憶を消されて、他人の体に入り込みその人生の代打を努める。
成り行き上、始めてしまった他人の人生を、ゲーム感覚で演ずる主人公が
次第に演技ではなく、素の自分で家族や友人と関わり、対峙していく。
他人の人生を歩みながら、失った自分の記憶を取り戻せという使命には
タイムリミットがあったが、最後に取り戻した記憶の中身は・・・?
原作が面白いので、後は映像化の出来が良いかどうかですが・・
今回は実写ではなく、アニメ作品という事で、イメージの実体化には
ある程度成功でしょうか。端々の肌に合わない演出は無視しましょう。
2006年の「時をかける少女」の青春アニメに似て、ピアノ練習曲を
BGMにしたりですが、あちらはSFをベースに純な恋愛がテーマ。
こちらは、死後の世界、神の存在をベースに、下衆な現実との対峙が
テーマになっています。どちらも伝えたいコアがしっかりと描かれて
いて良作です。
出来れば、母親との和解の絵も欲しいかと思いましたが、ラストのシーンで
主人公が着ている上着を見て、ホッとしました。ベタですが良い映画でした。
追伸・・母親の声が、麻生久美子さん。コレがハマり過ぎで驚きました。