6.《ネタバレ》 とにかくキャストが超豪華で、この布陣で大河ドラマをやってもらいたいと心から思いました。
それが無理なら、せめて賤ヶ岳の戦いでもう1本映画を撮ってもらいたい。
内容的にも贅沢な構成で、清須会議だけに2時間以上も費やして濃厚に描くなんて、歴史好きには堪らない作品に仕上がっていると思います。
特筆すべきは大泉洋の存在感で、これほど多くの名優たちに囲まれても、燦然と光り輝いて見えました。
ややコメディタッチに呑気な一面を見せつつ、終盤では後の天下人を予感させる荘厳な風格をも漂わせる演技に感心させられます。
三法師を抱えて登場したシーンでは、ちょっと怖いくらいの感覚すらあり、僕の中での秀吉のイメージが、竹中直人から大泉洋に完全に上書きされてしまいましたよ。
シナリオ的には史実故の苦労と工夫が垣間見られましたね。
序盤は史実を大きく逸脱した展開でどうなってしまうの???って思わせておいて、最終的にはきっちり史実通りに収まるという無難な構成だったように思います。
丸っきり史実をなぞってしまうと面白味がないけど、史実を捻じ曲げるような新解釈でファンタジーにもしたくないということだったんでしょうかね。
特に長秀の立ち位置を工夫することによって、終盤の葛藤に繋げたのは良かった。
勝家が単なる間抜けではなくて、哀愁の漂う味わい深い人物として昇華されたように思います。
それを踏まえて、やっぱり賤ヶ岳の戦いを見てみたい。
ここまで煽っておいて、賤ヶ岳の戦いはご想像にお任せしますってのは勿体無い。