1.《ネタバレ》 キネ旬ベストテンで1位を獲得していたので気になり観た(←ミーハー)
石橋静河が冒頭で言うセリフ「夜空はいつでも最高密度の青色だ」が特徴的であったが、彼女のモノローグの多用により、社会に対する不満や他者の無意識に対するグチ等をとめどなく溢れ出す。一方池松壮亮は他人に対して必要以上に言葉を発する事で自分の自信の無さだったり、不安を解消している。
そんな二人が出会い、最初は話まくっていたのが段々と言葉少なになり、やがて言葉を必要としなくなっていったのが印象的で面白かった。
主人公は看護師でいつも身近に死を感じていて、母親が自殺した事で落ち込んでいる。池松壮亮演じる男の同僚も仕事中突然倒れ、隣に住む老人は熱中症で孤独死していた。街では人身事故により電車が遅れるのは日常で、今日も地震速報のニュースが絶えない。こういった身近に溢れ返る死のイメージが、主人公達の行き場のない不安や恐怖を増幅させていた。