2.《ネタバレ》 ここ数年、この国では以前は決して起こらなかったような現象が起きている。
マイケル・ムーアはトランプによって目覚めさせられたと言っているが、
自分もここ数年の間、某政治家のおかげでこれほど政治に関心を持ったことはない。
最低限の行動として選挙には必ず行くようになった。
民意が反映されていない選挙制度(投票数でトランプは確実に負けていた)というのも驚きだったが、この国はどうだろうかと疑問に思う。
フリントの水道水の問題は痛ましく衝撃的であるが、
間違いなくこの国でも似たような問題が起きている。それは拝金主義と差別に起因するものだ。
ドイツに独裁者が生まれてしまった過程の考察も興味深い。
この映画に登場する歴史学者が語っているように、歴史を知ることの重要性は多くの知識人、文化人が語っている。
自分も歴史の事件の結果、ディティールに意識がいきがちであるが、重要なのはそれが起こった過程から学ぶということである。
不勉強な自分は、アメリカは民主主義が最も進んだ国だとなんとなく誤解していたが、実は民主主義を体現することが理想であって、実際は民主主義が機能していないという話も実に興味深かった。
今の時点でこの国がアメリカより優れていると思えるのは、銃がスーパーなんぞで買えない、持てないということだ。この点だけは本当に幸せだと思う。
この映画の見解に賛同するかは人それぞれでいいと思うが、アメリカで起こっていることは日本でも少なからず起こっているという実感はある。
この映画はこの国に多くの示唆を与えていると思う。