1.《ネタバレ》 映画館は感染リスクが高いと言われますが、今は客が減って、不人気作品では貸し切り状態でした。
ただ手袋とマスクしたまま見ている孤独な観客に対し、画面の中も防護服ばかりという変な状態・・。
冒頭、画面に人は無し、311のテロップと海底地殻変動の映像。続いて震度6強の発電所の絵。
災害前の、のどかな風景を見せる今までの映画とは違いましたねえ。絵と音の迫力は期待通り。
前半はパニック映画の醍醐味に溢れ楽しいです・・ (事実に対し失礼な表現を陳謝しておきます)
後半は娯楽映画の恐怖感ではなく、見た目の放射能被害を想像力で補完しし見る必要があります。
最悪の事態を想像しながら、現場にいて対処し、出来ることが無くても離れることは許されない立場の
関係者達の戦いを淡々と描くので、ドキュメンタリーとドラマの中間的な仕上がり。良いと思います。
発電所だけでなく、避難所シーンもその他もリアルで、喉元を過ぎた9年前が蘇りました。
ホントに大変な災害だった・・
有名俳優が大量に出てまして、大作感に溢れてます。これがそうでもない俳優だったらどうなのか?
例えば、伊崎の娘の結婚相手として斉藤工さんがワンシーンのみ。誰でもいい様でそうでもない。
一人一人が同じ命を持った人間として印象に残すには配役も重要でしょう。それぞれがスパイスとして
意義がありました。主演のお二人の演技は申し分ないのは言うまでもない。
ハッピーエンドなんかあるわけがないのは、当たり前の題材。数年後の現場責任者の葬式でエンディング
のシーンですが、季節が幸いし、明るく温かい終わり方になった。
ただ・・・なにしろこの福島原発事故は、放射能の問題が何一つ解決していない。その今、果たして映画化
しても良かったのか疑問はある。本当にこの映画のような爽やかさが実感できるのは遠い未来なのかも
しれません。この災害の当事者である日本人には心から映画として楽しめるのか?
そもそも吉田所長の葬式は夏だったのに、翌年のサクラの映像で終わっていいのか?
そんな声が聞こえそうでしたが・・観客席にたった一人の自分は結構面白かったかなと・・ スミマセン。