6.《ネタバレ》 すでに評判の通り、同じ事柄を母、教師、息子の3者の視点から描かれます。
視点が変わるたびに見ているこちらの先入観をこれでもかというほどひっくり返されます。
特に湊視点で片方の靴をなくした場面と、校長にトランペット(トローンボーンだったかな?)を吹く場面がとても好ましかったです。
あと、高畑充希が退場する場面での「また今度」にはニヤリとさせられました。
怪物は誰なのか、少年たちは死んだのかがいろいろな場面でコメントされていますので、今時点の見解を残しておきます。
私は、他人や自分自身であっても自分には見えない部分があり、それに対する恐れや思い込みが怪物で、視点を変えながら物語を進め、私たちの先入観を取り除いていくことができれば、怪物なんて本当はいないんだと説明されているように思えました。
嵐の中横倒しになった車両に雨が落ちる場面は、美しいながらも息苦しく、終盤に湊と依里が車両から出て駆け出す場面では涙があふれましたが、でも少年二人は死んでいないと信じることにします。
モチーフになったと思われる銀河鉄道の夜もカンパネルラとジョバンニは死んでいないと信じてます(笑)
是枝監督が活躍する時代に生きていてよかったなと思います。