2.近所の映画館の40周年を記念した映画祭で、40年前オープン当時に上映されていた作品ということで観賞。
しかも、リマスター版とかいうものではなくて、当時のフィルムを無理矢理に上映するという荒業の為に一部の音声が途切れたり、映像がワープしたりという視覚効果も交えての観賞となりました。
まあ、それはそれで味があって良かったとは思うけど、肝心の内容の方も味があって良かったですね。
男と女の出会いから結婚までを描いた純愛物ではあるけど、それぞれの人生の背景に深みがあって、中盤以降は重厚な人間ドラマの様相。
人がたくさん死んで話が重過ぎるかなという印象もあったけど、栗原小巻の魅力に牽引されて最後まで興味深く観賞することが出来ました。
特に終盤の結婚前夜の家族のふれあいには涙しましたよ。
戦後から高度成長期への時代の移り変わりを象徴するように古いものが消え去り、新しいものがどんどん出来てくるという演出が印象的だったけど、その新しいはずの東京の街並みですら現在と比べるとやたら古臭い昭和の香りが漂うというギャップがなんだか面白かった。
シナリオの展開はその逆に大都会東京から雪深い東北の故郷にタイムスリップしたようなノスタルジックな味わい深さがあり、その景色の荘厳さに感動すら覚えました。