1.主演は美空ひばり。となると、途中に意味も無く歌が入ったりするんでしょ、と思ったらさにあらず。歌を封印し、しっかりと千姫を演じてます。
だったら主演は美空ひばりでなくてもいいやんか、ってなところですが、いや、これが見事にお姫様になりきってます。いかにもな女優さんが演じてない分、新鮮でもあり、妙に迫ってくるものもあります。ホントに、これぞキレちゃったお姫様、という感じ。
冒頭の大坂夏の陣の合戦シーンもダイナミックですが、映画全編を通じ、ロケ撮影の贅沢、スタジオ撮影の贅沢。双方をこれでもかと織り交ぜ、例によってエキストラも大量投入し、1時間半もない作品ながら、大作に引けを取ってません。
平幹二朗演じる出羽守の乱心シーンにおけるロングショットに圧倒され、千姫狂乱シーンにおける移動撮影に圧倒され、クライマックスの緊張感に圧倒され。このクライマックスシーンだって、こんなに大勢の人物を登場させる必要があるんでしょうか。
これぞ、贅沢。