1.《ネタバレ》 テレビシリーズは未見で、テレビで人気だから劇場版で作っちゃいました的なノリの映画だと思っていたのですが、いやいや甘かったです。某局のような粗末な作りにはなっていなくて、映画としてある程度は完成している印象を受けました。派手なアクションやドンパチもなく、かといってカーチェイス、どでかい爆発シーンが用意されているわけでもありません。アメリカ映画の刑事物によくある拳銃乱射なんてもってのほか。推理と体を張った2人の熱意みたいなもので事件を解決していく様は、決してスマートではないし、むしろ野暮ったい所さえ感じてしまうのですが、何故か見入ってしまいます。特に、水谷豊さんがいいですね。古くは青春の殺人者という映画で好きになってテレビの熱中時代もよく観ていました。いい年の取り方というのか、イイ顔の役者さんになってきましたね。決意あふれるセリフの数々にグッと来ました。犯行のスケール感、その背景にある国際的な問題、東京マラソンとの絡み等、大画面の観賞を考えての材料ですが、これらはさしてうまく料理されているとは言えません。2人を無理矢理行動に走らせるための舞台セットにすぎない気がします。でも、上映中は飽きることなく、真犯人が分かってからも集中して観ていました。映画だからとやたら風呂敷を広げる事無く、最後犯人と対峙しあう場面だけでも自分はいいと思いました。まじめに作っているスタッフやキャストの姿勢みたいなものが、この対峙しあうシーンにあふれていると思います。あと、パンフレットはとても遊び心にあふれたもので、いいですね。たまにはこんな楽しい印刷物があっても。観賞後も色々話しするのに、格好の小道具になりますよ。こんなところにも製作者の熱意みたいなものを感じます。