1.素晴らしい。こういう毒のない幸せな映画もたまには良いもんだ。とはいえそれだけの満足を与えるだけに平凡な作品ではありえない。オープニングのポップさはそのままに、実は巧みな脚本、構成であるし、子供たちは勿論、オトナたちののキャラクターもそれぞれ立っている。10人近くを見事に独立させ、役割をもたらすのはそう容易なことではないし、くすりとさせる王道のコメディ要素もいっぱいだ。いやな気持ちになるシーンが一つもなく、いい意味で気を抜いてほっこりとした気分になれる。逆にここまで徹底的に毒を抜けるのは画としてもストーリーとしても困難だろう。監督の力量が問われる難しい作品だったと思うが、見事である。個人的にはいつも食べている小太りの少年が面白すぎて好きだ。美しいフランス語の響きと共にどうぞ。