1.《ネタバレ》 今は亡きポール・ウォーカーのほとんど1人芝居の作品。
ハリケーン・カトリーナにより街は壊滅的被害を受け、
出産で妻を亡くし、産まれてきた子どもは48時間は人工呼吸器が外せない。
電気も止まり、オンボロの自家発電機を回すしかない。
その自家発電機を回しても3分しか持たない。しかし、その3分も徐々に短くなってく。
みんな避難してしまい誰もいない病院で、人工呼吸器の中の産まれてきたばかりの我が子に、
君のママはこんな人だったんだと語りかけ、
最愛の妻を亡くした現実を受け入れる暇もない状況で、父として人間的な強さを見せる。
カトリーナが街を襲う直接的描写はほとんど無く、低予算で撮られた作品だと思いますが、
そんなウォーカーの静かなる熱演が胸を打つ作品になっています。
2~3分ごとに発電機を回さなければならないという時間的制約が効いていて、
中盤に遭遇した、置き去りにされた犬も効果的に使っています。
我が子を守るために、略奪目的で病院に侵入してきたクズどもとの戦いや、
仮眠をとることも少しの休息を取ることも許されない状況が
1人芝居で単調になりがちな作品にあって、巧くサスペンス的空気を作っています。
48時間。我が子を守り抜いたラストの父の姿がいい。
鑑賞前はよくあるパニックものかと思っていたのですが、意外な掘り出し物でした。