5.《ネタバレ》 モンスターペアレント、幼児虐待と育児放棄(ぎみ)、認知症、、心が痛くなるようなエピソードばかりを集めた、まるで不幸の見本市のような映画でした。 それでも、最後は救われたような気持ちになるのは、力の弱い者同士、助け合って生きていこう、というメッセージに共感できるから。孤独な認知症の老人と知的障害の少年が寄り添う姿、それをこの映画は「惨状」ではなく「希望」として描いているから。 おそらく、この映画は不幸を「個人」の責任ではなくて、介護や保護を支援するべき社会全体の問題として提起しています。物語を俯瞰的に観れば、教育や生活に内在する問題に真剣に目をむけない学校や自治体があり、さらにその上に国がある、、。そういう、暗に体制批判の物語、ではありませんかな。 はるか上流から流れ着いた「責任」が社会の底辺で行き場を無くして渦を巻き、その底辺では、責任を背負わされ、難しい問題に向き合いながらも、支え合い、ひっそりと生きていこうとする人たちの姿がある。 この映画は、その姿に優しく光を当てています。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 8点(2022-02-23 22:41:40) |
4.難しい話題を取り上げつつも、それぞれがいい方向へ努力していく姿に感動した 余韻を残したEDだったが、主人公たちは幸せになってほしいと願う作品 【Ren】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-11-19 14:52:14) |
3.小学校の先生って大変だなと思う、いやそれ以上に子育てする母親の方がもっと大変なのかも。三つの別々の物語が一つのテーマにまとまって考えさせられる良い映画だった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-05-22 16:43:15) |
2.《ネタバレ》 重い作品。現代の子供たちの縮図を、大人目線で非常にリアルに表現出来ている。学校内のちょっとしたイジメ、学級崩壊、給食費未払い、障害者、家庭での暴力虐待、そして先生の苦労の数々等、が非常にリアル。映画というよりドキュメントを観てる感じかな。でも、あちこちに愛情不足な親への叱咤激励があったり、考えさせられる。最後の先生の訪問先は上手くいったかな?まー、大変な家庭環境だったので、何回も何回も訪問しなければ解決しないだろうが。そこは気になる。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-01-28 08:44:06) |
1.《ネタバレ》 先生(高良君)の軸が定まらぬ前半の教室の様子は、子どもたちを誰一人正視することができず、観ている我々もただ呆然として、めまいのようだった。ところが先生が無償の愛に気づいてからの後半は、息をのむような名授業を展開する。もう泣けちゃってね。そして教室の隅にいた孤独な生徒を抱きしめたい衝動がラストの疾走につながったのではないか?子どものいない僕には、よく分からないが、そのようにこの映画を捉えた。もう二つのエピソードも印象的だ。孤独なおばあさんと、障害のある子のイーブンな人としての付き合い。虐待を受けてた子が親になり、同じことを自分の子どもに繰り返してた時に、波長のあう隣人との触れあい。全編、言いたいことは一つである。社会が子育てをフォローしている。今までの映画にない展開である。そう、地域社会が少しづつ戻ってきているのかもしれない。この監督の前作(ここでも池脇千鶴!)は、世界の悲鳴ともいえるような作品だった。それがこのようなホッと息のつける作品をつくるようにまでなったのは、監督に何かあったのかな(笑)。僕も抱きしめられてますよ。周りの人に、そして映画と言う「お前は大丈夫だ」と励ましてくれる、素敵な「家族」に・・・。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-04-08 23:54:39) |