3.《ネタバレ》 歴史的にも非常に重要な、一つの偉大な勝利の物語。
比較的抑制された演出・演技の下に進行していくが、それが寧ろこの対決に懸る種々の重圧をより真に迫って表出させることを可能にしている。演出もそうだが、カット割やハンディカムのスポット的な使用等撮影面でも極めて良い工夫があり、映画技術の点で特筆すべき巧みさがある。
展開運びは前半が大人し過ぎなのが気になるが、中盤以降は見事なシリアスさで観入ってしまう。そして様々に複雑な演技を静かに、だが十分に情熱的に演じ切ったエマ・ストーンは全編通じて出色の出来(個人的に好きなのは会長相手に静かに激しくキレるシーン)。
本当に重いものが懸った戦いに果敢に挑み、重圧を跳ね返して「世界を変えた」真にカッコいい女性の物語。観るべし。