8.《ネタバレ》 これはヤバい、本当に怖い、、。さらに嬉しいことに、平日レイトショー、ガラガラの映画館で貸し切り状態だ (泣) 個人的には好みであるクラシックなオカルトホラーの雰囲気があり、心理的にじわじわとくる恐怖、総毛立つ怖さを久しぶりに実感しました。監督の演出しだいで陳腐になるか大化けするかのジャンルと思っていますが、僕は (古き良き名作と同様に) 後者に転んだように思う。 伝統的にみて「家」 が怖いのは常套だし、実はストーリーはありがちです。だから本作は母親 (T・コレット) の演技力につきる、と思う。僕が本作で最高の恐怖を感じたのは、チャーリーに憑依された彼女の顔、声、そのしぐさです。そして、家族で食事中に取り乱した彼女の表情。 ホラー映画の良し悪しは主演女優の演技力にかかっている、と言っても過言ではありません。エクソシストのE・バースティン、オーメンのL・レミック、シャイニングのS・デュバルしかり。 ホラー映画の歴史は、(ただでさえ) 怖い顔した女優たちの絶叫演技が支えてきた歴史。T・コレットは見事に受け継ぎました。ホラー映画史を彩る名女優たちの神髄を余すところなく、文字通り "継承" したと言えよう・・!! 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-12-30 20:26:07) (良:4票) |
7.《ネタバレ》 はっきりいって、事故のくだり、あれだけでも相当やられる。 長男のあの直後の行動は、リアルすぎるというか、嫌らしすぎるというか、刺さる。今まで30年近く映画を見続けてきた中で、トップクラスにやばいシーン。 かといって、声高にやばかったと(つまり共感してしまったと)言いづらい点も嫌らしい。 あのシーンを撮ってしまったということがまず異常。 【kosuke】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-04 23:27:36) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 良い映画は上手に嘘をつくものです。例えば自動車事故の件。あの状況で、物理的にアレがああなるワケ無いですよね。少し想像すればわかる話。でもショッキングな出来事で冷静さを奪われた観客は、不自然だとは微塵も感じません。もう既に作品世界の空気に取り込まれている証。驚愕の結末へ向け、そこかしこの場面で小さな事実(後の証拠)が積み上げられていきます。亡くなった祖母に纏わる逸話、再現ミニチュア、玄関マット、お茶に含まれていたもの。ミステリー的に言えばヒント。二度鑑賞してみて、その丁寧な仕事ぶりに感心します。また、オカルトホラーのセールスポイントとも言える『霊現象』や『殺人描写』『儀式』といったマストアイテムは、質の良いものを要所に集中させており、安売り感がありません。だから物語に起伏が生まれると同時に、衝撃が心に刻まれるのだと思います。これぞA級映画の趣。褒めたい箇所は多々ありますが、中でも特筆すべきは役者の「顔」でしょうか。母親アニー役のトニ・コレット、娘チャーリー役のミリー・シャピロの存在感が圧倒的です。まさにホラーフェイス祭り!彼女らが纏う不吉さは只事ではありません。視覚で圧倒し、不可解さで心を惑わし、いつの間にか自由を奪われ最悪の結末に誘われています。地獄の王ペイモンが降臨した事実が恐ろしいのではなく(そもそも悪魔が本当に彼の体内に宿ったのかさえ未確定事項)、邪教の崇拝者たちに取り込まれ、家族を失った状況に絶望するのです。さあ、みなさんも正統派オカルトホラーの深淵を覗いてみてください。 【目隠シスト】さん [DVD(吹替)] 8点(2019-12-20 21:01:50) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 『ピーター・ラビット』を上映中のオーストラリアの映画館でこの映画の予告編が流れ、客席を埋めていたちびっ子たちがパニ喰って大騒ぎになった、これはなかなか愉しい(?)エピソードですね。でも自分だって映画館でこの映画を観たら、チビってしまったかもしれません。 前半ではまだオカルト的なことは起こらないけど、とにかくト二・コレットと子供たちが最大のホラー。娘は女の子なのになぜかチャーリーという名前、とにかくこの少女の顔が気持ち悪いんです。なんというか塗り壁みたいな不気味なのっぺり顔のうえに死んだ小鳥の首をチョンパしたりするから、もうたまらんです。高校生の兄貴も眉毛が妙に濃い暑苦しい顔で、たぶんこの俳優の地顔は割と美男子なんだろうけど終始締まりのない表情なので、これもなんか生理的に受け付けない。ト二・コレットに至っては、「確かこの人は若いころはけっこう美形だと思ってたけど、勘違いしてたかな…」と思うぐらい、壮絶な顔芸を披露してくれます。オカルトやホラーに出演すればいつも悪魔のサイドにいる印象のガブリエル・バーンがいちばん普通なんで、やっぱこの映画どっかおかしい(笑)。怖がらせ方も独特で、全編にわたって聞こえるか聞こえないかぐらいの不協和音の音楽で押し通しちゃうのが効いています。そのくせエンド・タイトルで流れるのはジュディ・コリンズが歌う『青春の光と影』なので、そのギャップはセンスがイイ。でもいちばん怖いというかわけが判らんのが、ト二・コレットがミニチュア・ハウスの造形作家だという設定でしょう。娘の首チョンパの事故死場面を立体化するのは怖すぎ。なぜかこの映画は首チョンパがやたら出てくるのですが、ト二・コレットの“セルフ首チョンパ”にはびっくり、いくら憑りつかれていたとは言え、こんな荒業は初めてです。 たしかに噂にたがわぬ怖さですが、悪魔崇拝がオチというのだけはちょっといただけない。キリスト教徒にはこういう悪魔の存在が恐怖の源らしいけど、不信心なこちとらにすると“悪魔・魔女“と聞いただけで「ああ、またか」と白けてしまいます。西洋の連中には”不条理の恐怖“というのが理解できないみたいです。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-08-20 22:52:39) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 祖母の死をきっかけに理屈では説明できないような悲劇に次々と襲われる、ある一家の恐怖を描いたモダン・ホラー。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これがまぁ近年稀に見るいやぁぁぁ~~~~~なお話でしたね。冒頭のミニチュアハウスの一室へとカメラがクローズアップしてゆき、そのまま普通の部屋となって家族が登場するというシーンからもう不穏な空気が漂っています。そうして始まる祖母の葬儀。この家族、娘である夫婦もその子供である孫たちもみな何処かおかしいんですよ。特にずっと不機嫌な顔をした孫の女の子!言っちゃ悪いけど、よくこんな気持ち悪い子供を見つけてきましたね(笑)。この子がグロテスクな絵を描いたりおかしな言動を繰り返したり、挙句、死んだハトの首をハサミで切り落とすシーンを見て、「あ、なるほど。この子が悪魔か何かに取り憑かれてて、これからいろいろと暴れまわるわけね」と思ったら、まさかの兄貴による首チョンバ(笑)。そのまま兄貴は現実逃避でベッドにふて寝、母親狂気の大ヒステリー、とどめは道に転がる蠅だらけの女の子の首……。いやー、この映画、観る者の予想をバシバシ裏切ってきますわ~。そのままテンションを一ミリたりとも落とすことなく、映画はどんどんと恐怖のどん底へと突っ走ってゆきます。特にヒステリックな狂気へとただただ暴走する母親の怖いこと、怖いこと。娘の首チョンバシーンをミニチュアで再現するなんて悪趣味以外の何者でもありませんわ。唯一まともだったお父ちゃんがもう不憫すぎます。最後はちょっとオカルトに流れすぎちゃった感がなきにしもあらずだけど、僕は充分大満足。久々にこんな禍々しい映画と出会ってしまいましたわ。監督は、本作が長編デビュー作となるアリ・アスター。うん、今から次作を楽しみにしとこっと。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-07-09 22:58:03) |
3.評判通りの怖さ。6年生の三男と絶叫しながら見ましたよ。部屋をまっくらにして、ふたりで一つの布団に隠れて。 映画ってすばらしいね。 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 8点(2019-05-12 23:12:41) (良:2票) |
2.トニ・コレットはアカデミー賞ものの演技だったと思う。とにかく正気じゃないし、物凄い迫力で圧倒される。怖い。 ストーリー的には日本人には馴染み深い(?)霊的な物の恐怖を描いているので、日本のホラーに近いと思う。 劇中に登場するジオラマも不気味さを煽るという点では非常に良いアイテムだった。果たしてあれは誰からの依頼で何の為に作っているのか?あれが仕事ってことは無いよね?その理由を推理していくとなかなかヤバい…。 ホラーにしては上映時間が長めだが、最初っから最後までずーっと怖かった。これだけ緊張感を途切れさせないのは凄い。 宣伝しだいではもっとヒットしたんじゃないかと思うんだけど…ちょっと内容をイメージしづらい邦題が足を引っ張ったか。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-12-14 18:16:35) |
1.《ネタバレ》 非常に嫌で怖い映画。ホラー映画としてのレベルはかなり高い。中盤以降、母親が大暴走し「それを言っちゃ終わりでしょ」レベルの暴言を吐きまくる。言った後で口塞いでももう遅いよ。更にあのジオラマはありえないよねぇ…。ラストも気が重くなる。それでも、画や演出は良く久々に「見せない怖さ」を味わったのでホラーとしての満足感は高かった。あの母親の嫌な面も祖母からの「継承」だよねぇ。そして娘も。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-12-01 19:27:43) (良:1票) |