1.《ネタバレ》 それほど多くのレビュー数とも思えませんが、良くも悪くも既に皆さんに書き尽くされている感がありますね。社会風刺エッセンス付きブラックコメディテイストのホラー作品とでも言いましょうか、私は大いに気に入りました。
何となく最近メジャーなヒット作で見かけたような冒頭の主人公らしき人物の連続頓死模様。(どっちの作品が先だったかよく分かりませんが)これで一気に惹き付けられました。グロさもある程度デフォルメされていてキモさはなし。(個人的耐性があるだけかも)鉄条網を越えて逃げ込んだGSの善良そうな老夫婦も予想通り追う側。そしてまたもや主人公かもの一行は頓死。突如登場するヒロイン感イマイチなヒロイン。何故か無敵、何故かハイスキル。云々。書き続けると長々としたネタバレあらすじになりそうなので後は自粛します。
兎にも角にも切れ味鋭いぶっ飛んだと言うか吹っ切れたサバイバルアクションは最高ですね。ヒロインらしからぬヒロインの無敵さ加減も良好。表情がいい!躊躇も後悔も感じさせられない見事な顔芸。勿論この状況を楽しんでもいない。恐るべき自己客体視。気に入りました。ラスボスのヒラリーさんが霞むぐらいの存在感ですね。プロフィールがアフガン従軍経験ありのレンタカー店員としか明かされないあたりも潔し!
勿論、これがありがちなハント&サバイバルホラーだったらここまで面白くはなかったでしょう。中途半端感は否めないながらも米国内の二極化の縮図みたいな時事ネタを無造作にふりかけたからこその変則的な感情移入性。どっちにも肩入れしたくなりそうな展開。中途半端にふりかけているからこその味わいがあります。丸投げではない程度に観る者に投げつけて来る感じ。これもいいです。
さり気なく回収しているシャンパンネタやキャビアネタもお茶目なレベルで好印象。願わくば、個人的にはキャビアを口にしたCAが苦しんだりして実はキャビアには毒が入っていて、毒を入れたのは主催者側の反乱分子だったりとかもうひとひねりラストに加えたらとか思ったりもしましたがやっぱ蛇足かな?