1.脚本(原案?)はレナード・シュレーダーで、撮影に田村正毅の名前が見える。
いきなりの超長回しで始まり、カメラはぐんぐんと移動して行き、ドラマは場所を変えて拡がって行く。観ていてこれは壮大な野外劇(の記録)なのだろう、という印象を持ち、ストーリーの飛躍、登場人物のシンボル性などから、唐十郎のテント芝居を思い出す。特にこの作品では、「川」というものを、場として非常にうまく活かしている印象で、逃走シーンの多くで、川の存在が場面をつくっている。少年少女たちが歌をうたって高揚感を盛り上げて行くのは、「台風クラブ」にも活かされていたけれども、ラストの「あさま山荘」的な場面での展開(この家屋の構造は実に演劇的)は、観ていてワクワクした。観終ってもやはり、唐十郎の演劇などとの親和性を考えてしまったが、「観たことのない映画」という感覚で、興奮した。