1.後ろの滑走路で輸送機が着陸に失敗し事故を起こしても、平気で振り返りもせず知らん顔でお喋りを続けている一コマを観ても分かるように、この作品にはマトモな登場人物は皆無なようで、軍隊というものを徹底的に茶化した作品である。そしてこういったバカバカしさを大々的にやるからこその面白さがここにはある。「キャッチ22」とは、狂人を装って出撃命令を拒否しても無駄だという皮肉が込められていて、自由への憧れと共に、真に狂っているのは誰か、怒るべき相手は誰かという反体制の側面と、笑って観ているうちにやがて笑っていられなくなり、本当の恐ろしさを感じる作品でもある。