19.《ネタバレ》 まあ確かに、根っこのトコロにソコまで「体重」が乗っかってるって作品ちゅーよりは、お洒落で軽いノリの(気楽に観れる)恋愛コメディだ、とも感じるのですが、演出・脚本におけるテクニック的な部分や、主演二人の役への「ハマり様」とかに関してはまま歴史的にも高水準だと思ったのですよね(⇒ウディに関しては「ハマってる」って言い方もナンか違うよーな気もしますケドも)。ただ其処でいくぶん、ロマンスにせよコメディにせよどちらにしてもが今や「ノスタルジック」に為りかけている気もしますが(⇒特にその、お洒落と知性=シニカルを「自己防衛」として身に纏うコトが実に鼻に付く感じなぞは)それでもごく軽妙なダケに私も終始、思ったより気楽に笑えて・且つ(ラストでは)チャンとしんみりも出来たかな…と少し驚いてすらしまいましたね。随分久方振りの再見なのですが、意外なマデに楽しめちゃいました。この手の(恋愛)映画としては最高レベルに好みでしたね。 一点、ゆーて今作でもダイアン姐さんは、私としても(ある面では)非常に魅力的に見えなくもないのですよ(⇒朗らかに健やかに超・危険運転を繰り広げるサマなんかには、流石にちょっと眉を顰めるしかなかったりもしたのですケド)。でも一方で、逆に今作のウディ・アレンとゆーのは、女性の観客さん方からはどう見えてるのかな?と思ってしまったりもしたのですよね⇒つまり、女性からはコレが(シンプルに感情移入の可能な)「恋愛」映画として観れるのか?と。まあ重ねて、根本的には「相性の好い」二人だとも(ソコは確実に)思われるのでして、且つはその部分って恋愛としてはより「本質」にも近い、それを(ワリと短尺で)描き切っている映画だ…と捉えるならば、その面でもやはり「高度な方の」恋愛映画だったのだ…と言えるっちゅーコトなのかも知れませんケドね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-03-16 14:18:14) |
18.《ネタバレ》 とても素敵なコメディだと思う。主人公がお笑い芸人という設定からか、少し斜に構えた目線で世界を語る男と、その彼女を巡るかなり神経質な会話劇という様相。とにかく「今までに無い物、新しいものを作りたい。」というウッディ・アレンの気概が画面からビシビシと伝わってくる。実際この映画にはそういったアイディアが詰まっていて、突然スクリーン越しの観客に話しかけてきたり、突然アニメになったり、心の本音が口頭で話している言葉とは別に字幕で出てきたり(笑)…といった仕掛けがあらゆるところにあり、顧客を楽しませようとする。その実験精神というか、チャレンジ精神は天晴れなものだ。おそらく映画史にはある程度の間隔で、こういった今までの常識を壊そうとする作品が出てきていて(タランティーノの「パルプ・フィクション」など)、そしてこれらの作品が教えることは「何をやったって良いんだ!」という自由の概念であり、それが次世代のクリエイター達を刺激していくのだと思う。最初と最後が漫談のネタであるというのも、所詮全部笑い話にしていくしか無いのだという芸人の性(サガ)を表しているようでおかしい。1977年アカデミー作品賞、脚本賞など受賞。 【rain on me】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-19 12:55:31) |
17.《ネタバレ》 面白くもあり悲しい映画でした。恋愛を通して、人間の矛盾する感情が浮き彫りになっています。下世話なんだけどどこかファッショナブルな雰囲気を壊さずにいるところは流石です。相思相愛って、奇跡的なことなんだなって思いました。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-30 20:49:50) |
16.《ネタバレ》 あーあ、W・アレン。理屈屋で神経質で自虐に走るわりにはインテリのプライド高く、N・Yから一歩も出られないオトコの脳内だだ漏れ映画といいましょうか。甚だセックス・アピールに欠ける容姿のくせに女好きを公言しちゃうんだもんなー。女子の失笑を買いそうなアレン君にはやっぱりD・キートンだ。この二人、私はどっちも苦手だけどあなたたちベストカップルだと思うよ。お互い他にいないって。でもうまくいかないのが恋愛なんだよなあ。そこらへんの機微がうまいこと伝わってきて意外と楽しく観れたのはアレンの術中にはまったからなのか。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2012-06-18 00:10:02) (良:1票) |
15.愛しあった二人にも別れは来る。そんなありふれた恋愛の映画。でもこんな映画って意外と少ない。 【akila】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-19 12:14:04) |
14.《ネタバレ》 人によって好みが激しく分かれるアレンだけど、『アニー・ホール』には彼の才気と映像および脚本テクニックが凝縮されていることは間違いありません。屁理屈が多くてユダヤっぽいセリフが臭いと最初は感じていましたが、何回も観ているとけっこう名セリフが多いんですよね。「私を入会させるクラブ…」はあまりに有名ですが、自分は「愛とサメは似ている。常に前進していないと死んでしまう」が好きですね、けっこう名言だと思います。そして、私はこの映画のダイアン・キートンほどリラックスして役を演じる女優は観たことがありません。本来彼女はそんなに器用な女優ではない気がするのですが、アレンの手にかかると軽やかなコメディエンヌに変身させられてしまうのですから、彼の女優を操る腕前は大したものです。でもあのキートンの歌だけはちょっと微妙でした(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-13 00:59:00) (良:1票) |
13.映画という文法を無視するとこうなるのでしょうね。何度か見るうちにラブストーリーの部分が見えてきて、結構いいと思えるようになりました。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 8点(2009-12-14 21:30:33) |
12.《ネタバレ》 実験的な手法を取り入れたアレンの初期の代表作であり、半自伝的な映画。登場人物の思いが活字になったり、突然観客にしゃべりかけたり、挙句は劇がアニメになったりとハチャメチャで斬新な演出だが、それが全くスベっていないという驚異的な映画。「アリーmyラブ」を最初に見た時、この映画を思い出した。 アレン演じるアルビー・シンガーとダイアン・キートン演じるアニー・ホールの恋愛模様が話の焦点なのだが、この頃からアレンの「独善的なインテリ」という自虐ネタは冴え渡っており、アニーを大学に行かせるエピソードや自分好みの本を執拗に押し付けるところなどからもそれが窺える。それが馬鹿馬鹿しいと薄々気づいていながらもやめられないところが身につまされる。世の中全てを笑いのめすコメディアンでありながら、自らのエゴに苦しめられる彼の気持ちは痛いほどよく分かる。精神分析を15年受け続けているという彼の台詞からも彼自身が一個の悩める人間に過ぎないことが分かろうというものだ。 ラストの卵の小話は、恋愛って本当にそのとおりだと共感し、感心した。同じ夢を共に見るのが恋愛なら、それは儚いし、傍から見れば馬鹿げているかもしれないが、本人たちは至って本気。夢だからこそ余計に美しくなるのであればそれはそれでよいではないか?アレンの気持ちの良い恋愛肯定には、毎度微笑ましくなる。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-19 10:15:00) |
11.《ネタバレ》 自分に自信のなかった女が、年上の男とつきあっていろいろ影響を受けていい感じになって最後に男を捨てる話です。映画の中とはいえ別れのシーンは見ていて心が痛みます。最後のほうに二人が楽しくつきあっていた頃の映像がポンポンって流れて、「でも楽しいこともたくさんあったじゃん」「よかったじゃん」としみじみした私はオバサンですね。 【キュウリと蜂蜜】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-06 01:37:21) |
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10.さすが代表作だけあって、これまで観たウディ・アレン作品の中では一番バランスが取れていると思う。非常にテンポがよく、ジョークはいつも以上に冴えているし、常識に捕われないユニークな表現は目を惹く。これだけ好き放題やっているのに違和感を感じさせないという力加減の上手さは天才的。 また、あくの強い作風が薄れて、全体的に整ったわかりやすい作品となっている。ウディ・アレンが苦手だという人でもこれならいけるんじゃないか――と思ったけど、みなさんのレビューを読むとそうでもないみたいですね…。 ほろ苦い結末がウディ・アレンのシビアな恋愛観を窺わせる。タマゴの比喩は、憎らしいくらいに的を射ていると思った。 しかしあれだけしゃべりまくれば、そりゃふられるわなあ。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-01 14:22:58) |
【k】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-22 21:34:38) |
8.《ネタバレ》 ウッディアレンではやっぱりこれが一番よかった。ウッディ出演作は、見ているうちに彼のルックスがかっこわるいということを「忘れた」状態になってしまうのが不思議だ。なんでしょう、この感じ。催眠術か手品にも似ている。ダイアンキートンは「美人」じゃないけどすごくよい。ウッディが惚れるのも納得できるなあ。こんなに言葉の多い映画(たけしと反対をいく)なのに、どうもダイアンの服装だけがいちばん印象に残っている。ミアよりダイアンだよ、やっぱり。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-09 21:23:34) |
7.《ネタバレ》 せつないねぇ…私も二人が台所でえびを調理しようと奮闘する場面が好きです。二人のシーンって固定カメラや人物の動きと同じ速さで平行に撮ってる場面が多くて,言ってみれば紙芝居みたいな構図だなって観てて思ったし,それはそれで素敵なのです。しかし,えびのシーンではカメラワークがそれからは外れていて,すごく活き活きとして観えた。アルビーの視点から語られた回想的な映画だと考えると,本当に幸せを味わってたんだなってことを生々しく感じました。ダイアン・キートンも可愛かったし(特にテニスの後着替えてアルビーと会話するところ!)。「人生は寂しく,みじめで苦しく,しかもあっという間」だからこそ,幸せだったときや素敵な恋人はずっと胸にあるものなのかなぁ…せつない。ウディ・アレンの奥深さを味わえて,満足です。 【ロー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-03 20:41:03) (良:1票) |
6.観ている間中、ずっと笑いっぱなしだった。 笑うといってもバカらしい笑いというよりもセンスのあるレベルの高い笑いが含まれていると感じる。 そしてなによりもシニカルな笑いが良い。 笑いもさることながら、演出手法が凝っているのには驚かされる。 本当にルールのない不意打ち的な手法だ。 過去の自分の姿を見て、それについて二人または三人で語り合ったり、ベッドで二人でいるのに、それを冷静にまた面倒くさそうに見つめている心の内面を語るもう一人の魂のような自分がいたり、映画館で映画等に関して得意げに語る奴に対して本人をどこからか引っ張って来たり、 心の声をセリフとして語るだけでなく、それを字幕にするというアイディアは本当に凄すぎる。 アニメにしたり、二重分割した画面なども効果的な使い方だった。 この映画は本当に評価されるべき映画でしょう。 また、笑いや演出方法だけでなく内容も評価できる。 男と女が付き合う謎を、アルビーシンガーとアニーホールという全くタイプも性格も違う二人を見せることによって、明らかにしている気がした。 男も女も確かに「卵」を求めているんだろうな。 観ていて気付いたことがあったのだが、クモを殺して欲しいと頼まれた時の壁にアルビーがエビと格闘した時の写真が貼ってあるのでそれも見て欲しい。 そして「私を会員にするようなクラブには入りたくない」というのもなんとも面白いフレーズだった。 【六本木ソルジャー】さん 8点(2005-01-24 01:51:47) (良:1票) |
5.世間的にはウディ・アレンの一番の出世作であり、代表作である、ということになっている。確かにグラミー賞の主要部分を総なめにし、かのチャップリンも絶賛。それまでドタバタ・ナンセンスコメディばかりを撮っていたアレンが初めて本格的な人間ドラマを描いたということで、マジメな映画関係者のお偉いさん方がやっと“見るに値する”ものとなった記念碑的作品でもある。既に幾人かの方々が指摘されているように、この作品は映像的な手法(分割カット、字幕の工夫、時系列が前後する編集など)だけに注目しても楽しめる。しかし、それだけではない別の様々な要素が含まれていて、たとえばアメリカ国内における東部と西部の地理的な対比、そこに住む人々の気質的なそれも上手に描けている。しばしばニューヨーカーはロスの能天気なキャラクターを今でもバカにしたりするが、この部分を本作では“嫌味ギリギリ”のところで描いている。この点に注目しても楽しめるはずだ。他にも時代色の強い言葉だったり、インテリが嬉々としそうな単語を羅列させたり(それを自慢ではなく皮肉の道具としているのはさすが!)、と複数の内容を盛り込んでいる。もちろんアメリカという国の予備知識や、いかにも映画的な見方をしなくとも、単なる男女の恋愛映画として見ても楽しむことができる。メインとなる2人の恋の行方を伝えつつ、サブ・コンテンツも無理なく同時に盛り込むという多面的かつ多角的な作りは、なるほど秀作と呼んでいい出来栄えであり、ウディ・アレンがただの映画作家ではないことを如実に物語っている。 【給食係】さん 8点(2004-10-20 23:07:22) |
4.ジョークの全てを理解できなかったので満点は付けれませんが、W・アレン作品中3本の指には入る秀作だと思います。同時に、それまでは単なる喜劇作家だった(筈の)W・アレンが、真の映像作家として目覚めた貴重な記念すべき1本でもあります(大袈裟?)。ストーリーよりも様々な実験的手法に目を見張るものがありますが、驚くべきは、その斬新な手法により、相変わらずの『自虐的ギャグ』を或る種の哲学として昇華させていることであります。ところで話は変わりますが、上↑のキャストにクリストファー・ウォーケンて(出てるには出てるけどさ...)サギだよ(笑)。アレンの友人役はトニー・ロバーツ。 【nizam】さん 8点(2004-06-09 13:04:36) (良:1票) |
3.他の方も書いていらっしゃるように、画面の中の人物が語りかけてきたり、字幕に本音が出たりと、普通の映画じゃありません。柔軟性があるなら、この作品を楽しめます。池袋の文芸座、飯田橋の佳作座、後楽園シネマで何度も何度も繰り返し観たなぁ‥‥ 【伊達邦彦】さん 8点(2004-02-24 02:53:34) |
2.ウディ・アレン独特のセリフ回し、ダイアン・キートンとの息のあった掛け合いが好きな人は、文句なしにはまるでしょう。もうほとんど、反則技の域、内容が乏しくてもなんだか許せてしまう。いや、この映画は内容も素晴らしいですよ。 【ゆたKING】さん 8点(2003-02-25 00:16:22) |
1.「マルコビッチの穴」のコメントで、「ニコルソンの穴」も是非作って欲しい、と書いたのですが、どうせ言うなら「アレンの穴」も見てみたいですね。ユダヤ人である事を茶化してみたり、ラブストーリー(と思われる)にも自分を主役に配しつづけたり(そういえばミア・ファローと別れて自分の養子と再婚した時はぶったまげた)、実はこの人自己顕示欲の肥大した誇大妄想癖があるのでは??(現代のレーニン?)映画と関係無い話ですいません、。 |