1.↓おニ方が指摘されるように、冒頭の紙芝居は相当にカックンでした。リンチも、これを見て特別版には名義を使わせなかったのでしょう。ただし、あれのおかげでストーリーがわかりやすくなったのも事実。劇場版では人間コンピューターや尼さんの存在がよく理解できなかったもので。「アビス」や「ロード・オブ・ザ・リング」に匹敵する完全版の成功例じゃないでしょうか。「砂の惑星」って失敗作だなんだとよく言われますけど、僕は大好きですよ。やたら豪華なセットや悪趣味加減が絶妙です。そして、この一見さんお断り的なリンチ演出のおかげで、映像化するにあたってもっとも重要な「空気作り」に成功してるんです。なにやらスゴイ空気が全編に張り詰めてるんですよね。最近制作されたケーブルテレビ版と比較すれば、その違いがよくわかります。さらにケーブルテレビ版と比較して驚くのは、リンチ版はかなり時間的な制約を受けているにも関わらず、壮大な物語の要点は外していないという点です。リンチ版を見てしまうと、ケーブルテレビ版はものすごく長さを感じます。「リンチ版はやっぱり傑作だったんだ」って思いましたね。