1.宿題は個人的なものと思っていたが、改めて全体で考えてみると不公平なものだ。子どもの能力は当然バラバラだし、親が文盲であるかどうか兄姉がいるかいないか等の家庭環境により宿題に掛かる労力はかなり左右されるのに同一の課題を出すのはおかしい。もちろん学校側からしてみれば授業のこともありレベルの画一化を計っているのだろうが、理屈では理解していても子どもからしてみれば不公平以外の何物でもない。さらに〝罰〟は体罰で誰もが恐れているのに対して〝ご褒美〟の意味を理解していない子が少なくない。これは恐怖政治のような状況であり、そのためかTVアニメが好きに決まっているのに誰もが宿題の方が好きと答える。さらにお国柄だろうし無邪気な子どもたちに大意は無いのだろうが〝フセインは地獄に落ちろ〟などと大合唱するのは教育というより洗脳に近い。何故にそうなるかと考えるとやはり教育には国の世相が反映されるのだろう。〝子どもは社会の鏡〟と言うが〝宿題について〟という監督の問いかけは子どもや学校の問題だけにとどまらず意外にもかなり深い。 そして残念ながら日本の教育も悪い一例として登場する。現在も取り沙汰されているが、その背景にはやはり病んだ日本社会の姿がある。宿題を見ればその子が分り、その家庭が分り、その学校が分り、ひいてはその国が分る、着眼点が面白い非常に興味深い題材だった。・・・ただ、カメラの前でサングラスのおじさん(監督)に圧迫面接されている感じなので子どもが正直に答えているかは疑問なんですがね。