4.《ネタバレ》 まずは、わずか6歳とか7歳の子供たちなんだが、結構みんなしっかりしているな〜と感心す。
でも、子ども相手に、なぜ、あんな暗がりで取り調べのような尋問形式で撮影をしたのかなと最初は思いました。でも、これが明るい教室で、もしくは、他の子が騒がしく遊んでいるグランドで撮影されていたなら、イラン情勢のこの宿題問題、子供たちに本音は聞き出せていなかったのではないかと思えます。
そんな中で記憶に残る子は、家の中でベルトを10本も無くす父がいることを微笑みながら語る子と、恋人である彼女が去ったとかいうセンチメンタルラブな内容の歌詞をフルに歌いきった強心臓の子、約2名。
だけど、それ以上に心に残るのは、わりとフレンドリーに気さくに回答していた子が ふと「喧嘩と戦争の違いは何かな」と呟く。そして「相手を殺すことかな」と自答した時の顔が一瞬で真顔に変わり、見ているこちらとしてはドキッとさせられた瞬間、あの瞬間でした。
だけど、この部分、せっかくなので監督は撮影を一時止めてでも、喧嘩と戦争の違いをきっちり教えてあげるべきなのではないかと思えてしまいましたね。少なくとも彼はこの先、何年かはこの疑問に対して正確な答えを得る事なく日々過ごしていくのでしょう。せっかく撮影という名の尋問に協力してくれた子供代表が大人相手に呟いた等身大の疑問点なのです。しっかり答えを返してあげてほしかったかなという思いが残ります。
作品評価点としては、至極真面目な作品だからといって、過大評価をするつもりはありません。残念ながら、エンタメ性を感じれる部分が全くと言ってよいほどありませんでしたので、そこが残念でなりません。自分としては可も不可もなくといったところの5点です。かなり惜しく感じます。