1.《ネタバレ》 試写会にて鑑賞。
実に3時間22分の大作で上映中に休憩を挟まれたのも初めての体験。
国民航空という架空の大企業の大組織に翻弄され続ける男の苦悩を描いた作品です。
架空の大企業とはいえ、主題は実際にあった「日本航空機墜落事故」を下地に作者のフィクショナリーを織り交ぜた話で、
フィクションとはいえ、とてもフィクションの世界とは思えない世界です。
話としては、ざっくり行くと日本航空機墜落事故に白い巨塔を足したような話です。
白い巨塔の里見先生みたいなキャラが渡辺謙さんで、財前五郎的な三浦友和さんが居て。
内容を掘り下げることはできないので、イメージとしてはこんな感じです。
しかしながら、白い巨塔を見ても思ってたことなのですが、組織の中で断固として、自分の意思を貫くことって、もう無理というか。不可能な話なんだなぁ、とつくづく思い知らされる一方で、
組織という大波に飲み込まれながらも断固として揺れ動かない登場人物が、そこに描かれているわけです。
一方で、とても憧れる生き方で、美しい生き方だと思いますが、
一方で、巻き込まれる人の事も考えてやれよ、とも思う自分が居ます。
自分の意思を貫くために、自分だけが傷つくことにたらず、時に家族に、時に仲間に、大事な人たちへと飛び火してしまうことがあっても、
山崎先生の描く世界のキャラクターは揺らぎながらも貫き通してしまいます。
回りの人間を巻き込むことを恐れてしまう自分が弱いだけの人間なのかもしれませんが、
まだまだ若輩者の自分には、理解できない世界なのかも知れません。