6.《ネタバレ》 日本がバッシング社会になったと言われて、もうずいぶんと経つ。しかし元々、村八分などと言う言葉があった日本は、基本的に大勢で少人数をいじめる国民性を持っていた。
そして今、世間ではものすごい失業率で、従業員の首を切って、会社を立て直すのが良き事とされている。生活に困窮して社会の救済機構に助けを求める人を、怠け者の泥棒のように言う人たちもいる。
若侍が、井伊家の侍たちに受けた仕打ちを見ていると、こういう事が頭に浮かんできてしょうがない。
彼らと、彼らの周りにいたのは、武士ではなくただのいじめっ子と、それを見てみぬ振りしたクラスメートたちだ。
竹光で無理やり腹を切った浪人は、苛めを苦に命を絶った多くの学童たちである。
そして、竹光を持って大勢に挑んだ、弱者の代理人が現実の世界でも現れることを、私は祈る。