1.《ネタバレ》 料理を題材にした映画があまり好きではないので(その割に見るけど)最初はどうかなと思ってたんですが、凄く良かったです。料理はあくまで小道具の要素の一つだったので、邪念を捨てて見る事ができました。登場人物がそれぞれ魅力もあれば欠点もあって、一喜一憂しながら堪能できます。劇中で出てくる川や橋の存在感も絶妙。登場人物たちを見守っているようにも見えるし、狭く閉じこもった場所として蓋をしているようにも見える。不思議な空間が出来上がっていました。脇役たちもみんな魅力的。料理だけでなく生活の知恵、そいて生きていくために大切なことを、子供だろうが身内だろうが赤の他人だろうが関係なく”伝えていく”ことの素晴らしさ(そして厳しさ)。それが些細なことでも、いずれは大きなうねりになって、いつかは地球の裏側にだって届くのだ!と本気で信じさせてくれる映画でした。単純なハッピーエンドではない結末ですが、彼らが過ごした四十九日がその後の人生の力になるはずだと思うと希望が沸いてきます。