11.《ネタバレ》 いやあ・・恐ろしい。観ている間中ドキドキびくびくして、物語が終了した後もしばらく重たい気分が残る。
近代の戦争は戦地で決着がつくものではとっくになくなっていて、テクノロジーの進化が戦術にも大きく影響しててそれはもう一介の凡人の想像を超えてくるレベル。ロンドンとニューヨークからソマリアの一軒家を爆撃するって??家の中まで偵察できる小型昆虫カメラなんてちょっと前の007に出てきそうなアイテムじゃないですか。
技術がこんなにも進んでそれで人間がタスクを遂行するのにラクになったかといったら全然で。本作のような課題はITだろうがAIだろうが解決不可でありましょう。
あなたならどうするか。誰の立場でこの映画を観るか。観客に突き付けられるこの問いにわたしはおろおろと結論を出せずじまい。
任務として遂行せねばならない劇中の軍人やら政府役人らが数字でつじつま合わせたり、更に上の人間の了承を得ようと躍起になる様は日常レベルでも見かける図で妙に腑に落ちる。
女の子一人の犠牲やむなし、の立場のA・リックマンもまた私人としては孫におもちゃを探して回る一人の祖父であるという背景。人間の限界を感じさせて絶望感まで呼び起こす伏線でした。打ちのめされました。
これが21世紀なのか。誰にもどうにもできないのか。