散歩する侵略者のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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散歩する侵略者

[サンポスルシンリャクシャ]
Before We Vanish
2017年上映時間:129分
平均点:6.04 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-09-09)
アクションドラマホラーサスペンスSFラブストーリーコメディ戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2017-07-16)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2020-11-17)【Yuki2Invy】さん
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監督黒沢清
キャスト長澤まさみ(女優)加瀬鳴海
松田龍平(男優)加瀬真治
高杉真宙(男優)天野
恒松祐里(女優)立花あきら
長谷川博己(男優)桜井
前田敦子(女優)加瀬明日美
満島真之介(男優)丸尾
児嶋一哉(男優)車田
光石研(男優)鈴木
東出昌大(男優)牧師
小泉今日子(女優)医者
笹野高史(男優)品川
脚本田中幸子
黒沢清
音楽林祐介
和田亨(音楽プロデューサー)
撮影芦澤明子
製作松田美由紀
日本テレビ(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
日活(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
WOWOW(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
松竹(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
読売テレビ(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
ポニーキャニオン(2017『散歩する侵略者』製作委員会)
配給松竹
日活
特撮浅野秀二(VFXプロデューサー)
美術安宅紀史
編集高橋幸一
録音柴崎憲治(音響効果)
あらすじ
一組の夫婦が居て、夫がある日行方不明になった後帰ってきたが何か様子がおかしい。家に居てもぼーっとしてたり、とんちんかんな事を言ったり‥‥暇さえあれば散歩に出かけるし‥‥。一方である殺人事件の現場を取材に来たジャーナリストの桜井は、宇宙人と称する少年に出会い、"ガイド"になってくれないかと持ち掛けられる。その少年の話によると宇宙人による地球侵略がすでに始まっていて、もうすぐ宇宙人に乗っ取られるとかなんとか。果たして人類の未来はどうなるのか?という壮大な物語。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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7.《ネタバレ》 途中少し中弛みもあるが、きちんとしたテーマ、叫びがある作品。この形でしか表現できないという黒沢監督の強い意志を感じた。ラストで大物俳優が説明的なセリフで映画全体を締めるところは「回路」と同じ。
ブッキングパパさん [インターネット(邦画)] 8点(2020-05-01 21:19:05)
6.《ネタバレ》 (以下私なりの解釈です。黒沢清映画を楽しむ為のお約束ですので、誤読解等あるかと存じますが何卒ご容赦ください…)

本作の宇宙人は実体を持ちません。いわゆる『思念体』系。物質を生命の拠り所としないので、寄生する肉体に対して無頓着です。宿主が死ねば別の人体に乗り換えればよし。というより、生死の概念についても我々とは根本的に異なるのでしょう(ついでに言うなら、物質主義でないため、通信装置を製作するにも大層な部品を必要としない理屈。だから針金でOK。コレ斬新ですね)。ここから、彼らの言う『侵略』の正体が見えてきます。人類は命を奪われるとは思えません。侵されるのは頭の中。人類滅亡とは、精神の乗っ取り及びオリジナルの人格消去と推測されます。エピローグで小泉の口から語られる『宇宙人による侵略が中止された』が真とするなら、元人格抹消を止めた事を指すのでしょう。真治の説明「一つ賢くなった」=「愛という概念を知った」の効用と言えます。先発調査隊が各自収集してきた数々の概念を集積し、統一概念として流布したことで、結果的に人類は共通の価値観を手にしました。もう争いが起こることも無いでしょう。真治が持ってきた「みかん」を仲良く分け合う避難者たちの幸せそうな顔。人類悲願の『世界平和』が遂に実現されたのです。ならば侵略も悪くない?でも、人類は自ら進化することが適わず(何という敗北感でしょう)、多様性を失ったマイナスは計り知れません。さて、鳴海について。「愛」を提供し人類滅亡の危機を救った代償として、彼女は人間性を失いました。そんな彼女に寄り添うことが、NEW真治(宇宙人と人間のハイブリッド)が示す“愛のかたち”ということ。愛の概念に沿った正しい行動です。でもマニュアル通りの作業を人は愛と呼びません。 宇宙人による人類侵略という壮大なSFでありながら、描かれる世界は日常を半歩踏み出す程度のもの。日常と非日常の描別け(出し入れ)が絶品で、不意に恐怖を喚起させられます。流石ホラー上手の監督さんです。なお、空爆、自衛隊の出動、天から降りてくる火の玉、野戦病院等は『侵略』『戦争』を端的に表すアイコンであり、リアリティ云々を求める類のものではありません。厚生労働省を騙る謎の集団も、抵抗する人類(自我)の象徴と考えられます。この徹底した象徴(記号)主義が黒沢清監督の流儀であり、時に難解と捉えられる所以でもあります。本作は黒沢清節が炸裂しつつも、意味不明には陥らぬ大変バランスの取れた一作でした。
目隠シストさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-05-05 18:27:14)(良:1票)
5.《ネタバレ》 日常に忍び寄る不気味さ。
不安を煽る演出にドキドキしっぱなし。
おどろおどろしいバラバラ現場から、トレーラー横転タイトルバック。
センスがよろしい。
WOWOWの『予兆』を観ていたので、予備知識はもっていましたが、どうなるかわからない展開にドキドキし疲れました(笑)
長澤まさみさん、長谷川博己さんのガイドは私をもしっかり案内していただきました。
結末こそ、ふーん、でしたが、なんかやりきった感じの完成度でしたよ。
見てよかったです。
ろにまささん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-05-14 22:03:51)
4.《ネタバレ》 設定はありきたりだけど、段々分かっていく感じはなかなか良かった。ただ、地上に降りた侵略者(偵察者?)が3人なのに病院がパニックになるほど喪失者がでているのが疑問。散歩している画面が少ないんですよ。長谷川博己に乗り移ったあとの爆撃戦も雑。厚労省の人が別の正義の宇宙人かなと思ったけど尻すぼみでした。ちょい役でいろんな人が出ていたのに+1点。
Banjojoさん [映画館(邦画)] 8点(2017-11-07 23:48:44)
3.《ネタバレ》 如何にも胡散臭そうな東出昌大の牧師や、得体の知れない笹野高史が現れたりしただけで笑いがこみあげてくる、絶妙なキャスティングが多数。
恒松祐里のアクションが素晴らしく、登場人物の歪な歩行は不謹慎な笑いを誘い、終盤の海辺と空の独特な終末感が心をゾクゾクさせる。
ちょっとしたジャンプカットの数々も何となくSF的なアクセントに感じられて心地いい。
これらの見どころだけで映画として十分と思う。

などと言いつつ、やはり何よりも長澤まさみが絶品。あの駐車場での感動的な一言こそ映画の最高潮である。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 8点(2017-09-15 00:04:30)
2.《ネタバレ》 返り血を浴びた侵略者が、車が飛び交う道路のど真ん中を悠々と"散歩"する。次々と激突して横転する車を後に、女は一瞬冷たく微笑んだ・・。この強烈なオープニングにまずやられました。黒沢清監督の映画としては大胆なSFであり、同時に今回はコメディ色が濃いのも特徴。特に、賢いのか間抜けなのか、最後までつかめない長谷川博己の"宇宙人"キャラが秀逸で、桜井と天野少年の絡みは可笑しくて仕方がなかった。(監督の映画でこんなに笑ったのは記憶にありません) なぜか、「CURE」の役所広司と萩原聖人の全くかみ合わない会話を思い出しました。概念を吸い取られた人間の変わりようも笑いを以て描いているが、実はこれこそ最もたるホラーでしょう。突然ぐにゃっとなってしまって、姿はそのままだがもうすでに心は抜き取られてる・・。怖い怖い。真治が愛の概念を吸い取ろうとして、脳内変換オーバーフローによって失敗し、鳴海は(その時点では)無事だった。これは素直に、愛は計り知れない、という解釈をしたい。まあ、それほど深淵なその言葉の概念を、牧師さんはまるで安全標語のスローガンのように棒読みしたわけですが・・(笑) 夫婦、岸辺、不安げな空の色、戦慄の中にも懐かしさ漂う音楽。監督ご自身が強いこだわりのあるモチーフを踏襲しつつ、(同時にファンが期待しているもの、と言える) 見たことがない世界をまた魅せてくれた。毎回思うのですが、監督の思考回路は一体どうなっているのか。その頭の中にある、「映画」という概念を覗いてみたいところです。
タケノコさん [映画館(邦画)] 8点(2017-09-12 00:36:12)(良:1票)
1.《ネタバレ》 CUREは概念の変容、今作は概念の喪失を物語の軸としている。
どちらも人間性からの、そして自分自身を縛る抑圧からの解放を映し出す。
人間は概念に縛られ、抑圧されながら生きていて、それを喪失させ人間性から解放される事が人類の幸福となり、その結果が人類の滅亡に繋がるという強烈な皮肉。心の奥底では皆が望んでいるかもしれない、恐ろしくも理想郷的な世界をこの映画は容赦無く描く。
ラスト近くのホテルの場面。そこまであえてありきたりなラブストーリーの流れを踏襲させミスリードをする。そこから「愛」の概念を奪われても何も変わらなかった事で、夫への愛はなかった(おそらく真治は友愛や博愛などを貰ったのではないか)事を思い知った鳴海が絶望する場面へと繋がる。
自分の人間性の欠如を突きつけられ、正気であるがゆえに、その現実から逃れられない恐怖は、自分にとっては決して人事ではなかった。
そしてそれは「愛」という言葉の多面性、欺瞞性、巷に溢れるラブストーリーへの皮肉をも含まれていた。
終始あくまでもエンターテインメント性を保ちながら、SF、人間ドラマ、コメディ、ラブストーリーの皮を被った中にあるホラーを描く手腕。
黒沢監督の映画特有の、風に揺れるカーテン、扇風機、遮蔽物を隔てた別空間の表現。異空間としての車、車外風景。明暗のコントラストとその変化。旋回する飛行機。廃工場、不吉さの象徴である病院などの映画的記号。
手で窓を壊してから警官を銃殺する場面の意外性や、冒頭のトラック横転、歩道橋の追跡カットなどに代表される、空間と時間の持続と大胆な省略を利用した偽装などの魅力的な映画的な映像表現もあった。
ちゃじじさん [映画館(邦画)] 8点(2017-09-10 00:39:21)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 6.04点
000.00%
100.00%
200.00%
313.70%
4414.81%
5933.33%
627.41%
7311.11%
8725.93%
900.00%
1013.70%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review2人
2 ストーリー評価 6.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review3人
4 音楽評価 5.33点 Review3人
5 感泣評価 6.50点 Review2人
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